jQueryのajaxComplete()メソッド

jQuery ajaxComplete() メソッド:AJAX リクエスト完了後の処理メカニズムを徹底解説

この記事では、jQuery の ajaxComplete() メソッドについて掘り下げ、すべての AJAX リクエストが完了した後に特定の JavaScript コードを実行する方法を学びます。実際の使用例と注意点も合わせて解説します。

目次

  1. ajaxComplete() メソッドの概要
  2. ajaxComplete() と $.ajax().done() の比較
  3. ajaxComplete() の適用例
  4. 注意点とベストプラクティス

1. ajaxComplete() メソッドの概要

ajaxComplete() メソッドは、jQuery で提供される AJAX 関連のユーティリティメソッドの一つです。このメソッドは、ページ上の任意の AJAX リクエストが完了した際に、指定した関数を呼び出すことができます。

定義

ajaxComplete() メソッドは、ドキュメントに対してグローバルにバインドされ、すべての AJAX リクエストが完了するたびに実行される関数を登録します。これは、成功、失敗、またはキャッシュからの取得など、リクエストの最終的な状態に関係なく呼び出されます。

構文

$(document).ajaxComplete(function(event, xhr, settings) {
  // AJAX リクエスト完了後に実行するコード
});
  • event: ajaxComplete イベントオブジェクト。
  • xhr: XMLHttpRequest オブジェクト。リクエストの詳細情報が格納されています。
  • settings: リクエスト時に使用された $.ajax() の設定オブジェクト。

スコープ

ajaxComplete() メソッドに登録された関数は、ドキュメントオブジェクトに対してグローバルなスコープを持ちます。つまり、ページ上のどの AJAX リクエストが完了しても、この関数が実行されます。関数内部では、this キーワードはドキュメントオブジェクトを参照します。

2. ajaxComplete() vs. $.ajax().done()

ajaxComplete() と $.ajax().done() はどちらも AJAX リクエストの完了時に処理を実行するために使用できますが、いくつかの重要な違いがあります。

機能 ajaxComplete() $.ajax().done()
スコープ グローバル (すべての AJAX リクエスト) ローカル (特定の AJAX リクエスト)
実行タイミング リクエストの成功、失敗、キャッシュからの取得に関係なく、常に実行される リクエストが成功した場合のみ実行される

適用シーン

  • **ajaxComplete() が適しているケース:**
    • ページ上のすべての AJAX リクエスト完了時に共通の処理を実行する場合 (例: ローディングインジケータの非表示)
  • **$.ajax().done() が適しているケース:**
    • 特定の AJAX リクエストの成功時にのみ実行する処理がある場合 (例: レスポンスデータに基づいた DOM 操作)

3. ajaxComplete() の適用例

ローディングインジケータの表示

AJAX リクエスト発行時にローディングインジケータを表示し、リクエスト完了時に非表示にする例です。

$(document).ajaxStart(function() {
  $('#loading-indicator').show();
});

$(document).ajaxComplete(function() {
  $('#loading-indicator').hide();
});

ページ要素の更新

AJAX リクエストで取得したデータを使ってページ要素を更新する例です。

$(document).ajaxComplete(function(event, xhr, settings) {
  if (settings.url === '/api/data') {
    $('#data-container').html(xhr.responseText);
  }
});

複数の AJAX リクエストの処理

複数の AJAX リクエストがすべて完了した後に処理を実行する例です。

var requestsCompleted = 0;
var totalRequests = 3;

$(document).ajaxComplete(function() {
  requestsCompleted++;

  if (requestsCompleted === totalRequests) {
    // すべてのリクエストが完了
    console.log('すべての AJAX リクエストが完了しました。');
  }
});

4. 注意点とベストプラクティス

グローバルな影響

ajaxComplete() は、ページ上のすべての AJAX リクエストに影響を与えるグローバルなイベントハンドラであることに注意してください。意図しない副作用を防ぐため、コールバック関数内では、リクエストの送信元や種類を適切にチェックする必要があります。

パフォーマンスの最適化

ajaxComplete() のコールバック関数内では、重い処理は避けるようにしてください。特に、DOM 操作はパフォーマンスに影響を与える可能性があるため、必要最小限に抑えるか、別のタイミングで実行することを検討してください。

代替案

ajaxComplete() と同様の機能を実現するための代替案としては、$.ajax().always() や Promise を利用する方法があります。$.ajax().always() は、特定の AJAX リクエストの成功、失敗に関係なく実行される関数を登録できます。Promise は、非同期処理をより柔軟に制御できる仕組みを提供します。

関連文献

Q&A

Q1: ajaxComplete() は、非同期処理の完了を保証しますか?

A1: いいえ、ajaxComplete() は、非同期処理の完了を保証するものではありません。ajaxComplete() は、あくまで AJAX リクエストが完了したタイミングで呼び出されるイベントハンドラです。非同期処理の完了を確実に把握するには、Promise やコールバック関数を使用する必要があります。

Q2: ajaxComplete() と ajaxSuccess() の違いは何ですか?

A2: ajaxComplete() は、リクエストの成功、失敗、キャッシュからの取得に関係なく、すべての AJAX リクエスト完了時に呼び出されます。一方、ajaxSuccess() は、リクエストが成功した場合にのみ呼び出されます。

Q3: ajaxComplete() を使用せずに、すべての AJAX リクエスト完了時に処理を実行するにはどうすればよいですか?

A3: ajaxComplete() を使用せずに、すべての AJAX リクエスト完了時に処理を実行するには、$.ajax().always() を使用するか、Promise を利用する方法があります。$.ajax().always() は、特定の AJAX リクエストの成功、失敗に関係なく実行される関数を登録できます。Promise は、非同期処理をより柔軟に制御できる仕組みを提供します。これらの方法を使用することで、ajaxComplete() と同様の機能を実現できます。