Tailwind CSS vs. Bootstrap:どちらがあなたのプロジェクトに適しているか?
ウェブデザインの世界では、Bootstrap や Tailwind CSS などの CSS フレームワークは、開発者が美しくレスポンシブなウェブサイトを迅速に構築するための強力なツールを提供しています。しかし、これら 2 つのフレームワークにはそれぞれ長所と短所があり、どちらを選択するかはプロジェクトの具体的なニーズによって異なります。この記事では、Tailwind CSS と Bootstrap の違いを掘り下げ、最適なフレームワークを選択するお手伝いをします。
1. プロジェクトの規模とデザイン要件
Tailwind CSS:
利点:
- 柔軟性が高く、デザインの細部まで簡単にカスタマイズでき、独自の外観を実現できます。
- 軽量でコード量が少なく、极致なパフォーマンスを追求する小規模プロジェクトに適しています。
- 学習曲線が比較的緩やかで、習得しやすいです。
適用场景:
- 個人プロジェクト
- 小規模ウェブサイト
- 独自のデザインと极致なパフォーマンスを追求するプロジェクト
Bootstrap:
利点:
- 定義済みスタイルが豊富で、ページ構造や一般的なコンポーネントをすばやく構築できます。
- 大規模なコミュニティサポート、豊富な学習リソース、既製のテンプレートがあります。
- 大規模プロジェクトに適しており、デザインの一貫性を維持しやすいです。
適用场景:
- 大規模プロジェクト
- 迅速な開発が必要なプロジェクト
- デザインの一貫性とチームコラボレーションを重視するプロジェクト
2. 開発速度と柔軟性
Tailwind CSS:
利点:
- ユーティリティファーストの CSS クラスを直接使用するため、コーディング速度が速いです。
- 柔軟性が高く、クラス名を自由に組み合わせて、さまざまなデザイン要件を実現できます。
劣势:
- 多数のクラス名を学習して習熟するのに時間がかかります。
- 使いすぎると HTML コードが冗長になる可能性があります。
Bootstrap:
利点:
- 定義済みコンポーネントが豊富で、ページをすばやく構築でき、開発時間を節約できます。
- 使い方が簡単で、学習曲線が緩やかです。
劣势:
- カスタマイズの自由度が限られており、独自のデザインを実現するのが難しい場合があります。
- 大量の冗長コードが導入され、ページの読み込み速度に影響を与える可能性があります。
3. 学習曲線とコミュニティサポート
Tailwind CSS:
学習曲線:
- 習得は容易ですが、多数のクラス名とベストプラクティスに慣れるには時間がかかります。
- 公式ドキュメントが詳細で、コミュニティが活発なため、助けを求めやすいです。
Bootstrap:
学習曲線:
- 学習と使用が簡単で、定義済みコンポーネントとスタイルが豊富です。
- 大規模なコミュニティと豊富な学習リソースがあり、問題を解決しやすいです。
4. まとめ
Tailwind CSS と Bootstrap のどちらを選択するかは、プロジェクトのニーズによって異なります。
特徴 | Tailwind CSS | Bootstrap |
---|---|---|
デザインの柔軟性 | 非常に高い | 低い |
開発速度 | 速い(慣れが必要) | 速い |
パフォーマンス | 非常に良い | 良い |
学習曲線 | 中程度 | 低い |
コミュニティサポート | 良い | 非常に良い |
- デザインの独自性、极致なパフォーマンス、迅速な開発を追求する場合: Tailwind CSS を選択します。
- 開発速度、デザインの一貫性、チームコラボレーションを重視する場合: Bootstrap を選択します。
最終的には、具体的なニーズとプロジェクトの目標に基づいて最適なものを選択する必要があります。
Tailwind CSSは、正直わりと流行っているらしい
ところで、ここ1年で急速に伸びてきたCSSフレームワークに、「Tailwind CSS」というものがあるみたいです。
まぁ時々聞く名前…といった印象ですが、実際の所どうなんでしょうか?
ということで、こちらがGoogleトレンド検索です。(2022年11月)
a.JPG
うげぇ!!! この一年でTailwindがBootstrapを抜き去っています!
こうなってしまうと、やはり少しは勉強しといたほうがよさそうですね。
Tailwind CSSの導入方法
何にもわかりませんがさっそく使ってみたいので、どうやったらTailwindが使えるのか教わりに行きます。
公式の解説ページはこちらでした。
https://tailwindcss.com/docs/installation
導入方法は以下が紹介されています。雑にcssとjsを持ってきて入れればいい従来のCSSテンプレートとは違って、デプロイの時にコンパイルっぽいことをするのがTailwindの特徴のようですね。ただCDNも最近使えるようになったらしく、手軽に使うこともできそうです。
Tailwind CLI
既存のオリジナルCSSにディレクティヴを記載したあと、それと合体したCSSをCLIで生成する。
で、生成したCSSをHTMLで読ませる、という方法。
生成は通常Node.jsで実行するが、Node.jsが無い環境用の実行ファイルも公式配布している。
Using PostCSS
PostCSSというサービスを使っている場合は、それと競合しないようにCSSを作成できる。
Framework Guides
今どきのフレームワークを使ってる場合は、そのフレームワークのビルドのコマンドで一緒にCSSを生成して適用できます。
Next.js、Nuxt.js、React、Laravelなど、メジャーどころが揃ってそうです。
キャプチャ.JPG
Play CDN
CDNに置いてある出来合いのCSSファイルを参照させて使うこともできます。
お手軽に使いたい人はこちらですね。
Tailwind CSSをBootstrapと比較していく
さて、Tailwindはとりあえずどんなプロダクトにも適用できそうだな~というのを確認できたところで、さっそく流行の最先端をお手軽CDNで味見していきましょう。実際に当てるCSSクラスを一個ずつ見ていって、少しだけTailwindのことを分かった気分になっていきたいと思います。
しかしながら、でも別にBootstrapでいいんだけどな~、というTwitter過激派の方も多いことでしょう。僕がそうです。なので今回、似たようなコンポーネントを両方で作ってみて、どう違うのかな?というのも一緒に見ていくことにしました。
そんなに色々用意できたわけではありませんが、両者のノリと雰囲気の違いみたいなものが掴めるとよいかと思います。
小さいパーツの例
ボタンをピンクにして丸っこくしてクリックしたときの囲みを消したものを並べてみました。
左のボタンはBootstrapで作れますが、右はちょっと難しいはずで、Tailwindの良さが出ています。
<button class="rounded-full bg-blue-500 py-2 px-4 text-white
hover:bg-blue-700 active:ring-2 ring-offset-2">
Button
</button>
当てたクラスの説明はこんな感じです。
Tailwindのclass | 説明 | 公式doc |
rounded | 角がまるくなる | https://tailwindcss.com/docs/border-radius |
rounded-full | 角がすごくまるくなる | https://tailwindcss.com/docs/border-radius |
bg-blue-500 | 背景青、濃さ500(大きいほど濃い) | https://tailwindcss.com/docs/background-color |
py-2 | y方向のパディングが2 | https://tailwindcss.com/docs/padding |
px-4 | x方向のパディングが4 | https://tailwindcss.com/docs/padding |
text-white | 文字を白抜き | https://tailwindcss.com/docs/text-color |
active:xxx | マウスクリック中に当てるCSSクラス | https://tailwindcss.com/docs/hover-focus-and-other-states |
hover:xxx | マウスオーバー時に当てるCSSクラス | https://tailwindcss.com/docs/hover-focus-and-other-states |
focus:xxx | クリック後(要素選択中)に当てるCSSクラス | https://tailwindcss.com/docs/hover-focus-and-other-states |
ring-2 | 囲み太さ2 | https://tailwindcss.com/docs/ring-width |
ring-offset-2 | 囲みオフセット2 | https://tailwindcss.com/docs/ring-offset-width |
<button type="button" class="btn btn-primary">Button</button>
Bootstrapのclass | 説明 |
btn | いつもの感じのボタン |
btn-primary | 青のやつ |
こういった簡単な例ではさすがにBootstrapのお手軽さは光りますね。
ですが、お手軽であるがゆえに柔軟性が低く、トレードオフの関係と言えると思います。
<input class="w-full border border-gray-300 px-3 py-2 rounded-md focus:outline-none focus:ring-2 focus:ring-blue-500" type="text" placeholder="Placeholder">
<select class="w-full border border-gray-300 px-3 py-2 rounded-md focus:outline-none focus:ring-2 focus:ring-blue-500">
<option>Option 1</option>
<option>Option 2</option>
</select>
<div class="relative">
<select class="block appearance-none w-full border border-gray-300 px-4 py-2 pr-8 rounded-md leading-tight focus:outline-none focus:ring-2 focus:ring-blue-500">
<option>Option 1</option>
<option>Option 2</option>
</select>
<div class="pointer-events-none absolute inset-y-0 right-0 flex items-center px-2 text-gray-700">
<svg class="fill-current h-4 w-4" xmlns="http://www.w3.org/2000/svg" viewBox="0 0 20 20"><path d="M9.292 12.95l.707.708L15.657 8l-1.414-1.414L10 10.828 5.757 6.586 4.343 8z"/></svg>
</div>
</div>
上のInputとSelectはBootsrtapでできますが、3例目のような凝ったドロップダウンは難しいはずです。
Tailwindのclass | 説明 | 公式doc |
w-full | 親要素の全幅に広げる | https://tailwindcss.com/docs/width |
border | 枠を表示 | https://tailwindcss.com/docs/border-width |
border-gray-300 | 枠の色グレー濃さ300 | https://tailwindcss.com/docs/border-color |
focus:outline-none | フォーカス時に外枠が出ないようにする(何か指定しないと枠が二重になる) | https://tailwindcss.com/docs/outline-width |
border-dashed | 枠を点線にする | https://tailwindcss.com/docs/border-style |
border-b-2 | 枠を下だけ状態の太さ2にする。bはbottomのb | https://tailwindcss.com/docs/border-width |
<input type="text" class="form-control" placeholder="Placeholder" aria-label="Example text with button addon" aria-describedby="button-addon1">
<select class="form-select" aria-label="Default select example">
<option selected>Open this select menu</option>
<option value="1">One</option>
<option value="2">Two</option>
<option value="3">Three</option>
</select>
Bootstrapのclass | 説明 |
form-control | いつものインプット |
form-select | いつものドロップダウン |
この例でも、Bootstrapのお手軽さは光りますね。一方、複雑なカスタマイズは難しいです。
大きいコンポーネント
ここまでやっぱりBootstrapでいいじゃんな…という気持ちになった方もいると思うので、やや大き目のパーツで見ていきたいと思います。
https://tailwindcomponents.com/component/tailwind-css-login-form-template
Tailwindのclass | 説明 | 公式doc |
lg:w-4/12 | lgサイズでは幅を全体12として4の幅にする | https://tailwindcss.com/docs/width |
relative | 要素を普通に並べていく(absolute要素で外枠になる) | https://tailwindcss.com/docs/position |
flex flex-col | 子要素を縦並びにする | https://tailwindcss.com/docs/flex-direction |
break-words | 単語の途中でも折り返す | https://tailwindcss.com/docs/word-break |
shadow-lg | まぁまぁ大きめに影をだす | https://tailwindcss.com/docs/box-shadow |
rounded-lg | まぁまぁ大きめに角丸にする | https://tailwindcss.com/docs/border-radius |
flex-auto | フレックス内で自動でサイズ調整する | https://tailwindcss.com/docs/flex |
block | テキスト内に混ざってても1要素として扱う | https://tailwindcss.com/docs/display |
inline-flex | テキスト内にフレックス要素を埋め込むとき使う | https://tailwindcss.com/docs/display |
cursor-pointer | マウスオーバー時カーソルがポインターになる | https://tailwindcss.com/docs/cursor |
https://getbootstrap.jp/docs/5.0/examples/sign-in/
Bootstrapのclass | 説明 |
container | グリッド整列使う時のベース |
row | 行ブロックの囲み |
col-xx-N | 画面サイズがxxならN/12の横幅を使う |
mx-auto | 水平方向のセンタリング |
shadow | 影あり |
p-4 | 全方向のパディングを4に |
fw-light | fontのweightをlightにする |
fs-5 | fontのsizeを5 |
card | カードビューを表示 |
card-body | カードのメイン部分 |
card-title | カードのタイトル部分 |
form-floating | ラベルがinputと重なった感じになっていてフォーカスすると上に退くやつ |
form-check | チェック部分 |
form-check-input | チェックボックス |
form-check-label | チェックの横のラベル |
うん、いいですね。いいけど… なんかTwitterっぽくないですか?オシャレではあるんですが。
価格表示的なやつ
Tailwindのclass | 説明 | 公式doc |
overflow-hidden | 中身入れすぎた場合はいらなかった部分は隠れる | https://tailwindcss.com/docs/overflow |
mx-auto | 横位置オート(コンテナ) | https://tailwindcss.com/docs/container |
flex-wrap | 収まりきらなかったら下へもっていく | https://tailwindcss.com/docs/flex-wrap |
-m-4 | マージンがマイナス4 | https://tailwindcss.com/docs/margin |
tracking-widest | 文字間隔すごく広く | https://tailwindcss.com/docs/letter-spacing |
leading-none | 行間の高さを無しにする | https://tailwindcss.com/docs/line-height |
items-center | 要素を中心線でそろえる | https://tailwindcss.com/docs/align-items |
justify-center | 要素を真ん中へもっていく | https://tailwindcss.com/docs/justify-content |
absolute right-0 top-0 | 絶対位置指定 右上ビタの位置 | https://tailwindcss.com/docs/position |
https://getbootstrap.jp/docs/5.0/components/card/
Bootstrapのclass | 説明 |
card-header | カードのヘッダー部分 |
w-100 | 幅100% |
btn-lg | 大きめのボタン |
感想
Tailwind CSSのメリット
-
柔軟性が高い: クラスを組み合わせることで、Bootstrapよりも自由度の高いデザインを実現できます。
-
モダンな開発環境との親和性が高い: ReactやVue.jsなどのコンポーネントベースのフレームワークと相性が良く、開発を効率化できます。
-
CSSの知識がなくても始めやすい: Tailwind CSSのクラス名は、CSSのプロパティに沿って直感的に理解しやすいものとなっています。
-
サイト全体のスタイルを統一しやすい: あらかじめ用意されたクラスを組み合わせていくため、デザイナーが意図しないスタイルが適用されることを防ぎます。
Tailwind CSSのデメリット
-
HTMLが冗長になりがち: 多くのクラスを記述する必要があるため、HTMLが見づらくなる可能性があります。
-
学習コスト: Bootstrapと比べて、クラスの数が多い分、使いこなせるようになるまでには、ある程度の学習が必要です。
-
コンパイルが必要: 開発環境によっては、Tailwind CSSを使うために、ビルドプロセスに追加の設定が必要になります。
Bootstrapのメリット
-
すぐに使い始められる: CDNで読み込むだけで、簡単に利用できます。
-
HTMLがシンプル: Tailwind CSSと比べて、HTMLに記述するクラス名が少なく、簡潔に記述できます。
-
豊富なコンポーネント: ナビゲーションバーやモーダルなど、Webサイトでよく使われるコンポーネントが豊富に用意されています。
Bootstrapのデメリット
-
柔軟性が低い: 用意されたクラスだけでは、実現できないデザインがあります。
-
カスタマイズが難しい: 独自のスタイルを適用しようとすると、CSSの知識が深く求められる場合があります。
-
"Bootstrap感"が出やすい: Bootstrap特有のデザインは、多くのWebサイトで使われているため、オリジナリティを出すのが難しいと感じる場合があります。
まとめ:結局どっちを使うべき?
Tailwind CSSとBootstrap、どちらを使うべきかは、プロジェクトの規模や要件、チームのスキルセットなどによって異なります。
-
小規模プロジェクトで、素早く開発したい場合、またはCSSの知識があまりない場合は、Bootstrapがおすすめです。
-
デザインの自由度を重視する場合、またはReactやVue.jsなどのモダンなフレームワークを使用する場合は、Tailwind CSSがおすすめです。
さいごに
この記事では、Tailwind CSSとBootstrapの比較を通して、それぞれのメリットとデメリットを解説しました。この記事が、CSSフレームワーク選びの参考になれば幸いです。
関連QA
Q1: Tailwind CSS はレスポンシブデザインに対応していますか?
A1: はい、Tailwind CSS はモバイルファーストの設計思想を採用しており、さまざまな画面サイズに合わせたユーティリティクラスが用意されています。そのため、レスポンシブデザインを簡単に実装できます。
Q2: Bootstrap と Tailwind CSS を一緒に使用できますか?
A2: はい、技術的には可能です。ただし、両方のフレームワークの設計思想やクラス命名規則が異なるため、競合や混乱が生じる可能性があります。一般的には、どちらか一方を選択することをお勧めします。
Q3: JavaScript フレームワークと組み合わせて Tailwind CSS や Bootstrap を使用できますか?
A3: はい、Tailwind CSS と Bootstrap はどちらも、React、Vue.js、Angular などの一般的な JavaScript フレームワークと組み合わせて使用できます。これらのフレームワーク向けに設計されたコンポーネントライブラリや統合ツールも多数あります。