iframe 親から子 postmessage

iframeにおけるpostMessageを用いた親ページと子ページ間の通信:安全なデータ受け渡し

iframeにおけるpostMessageを用いた親ページと子ページ間の通信:安全なデータ受け渡し

Webページ開発において、iframe要素は異なるドメインからのコンテンツを埋め込む際に頻繁に使用されます。しかし、セキュリティ上の理由から、クロスドメインのJavaScript間の相互作用は制限されています。 この記事では、`postMessage` APIを利用して、iframeの親ページと子ページ間で安全かつ確実なデータ受け渡しを実現する方法を紹介します。

1. クロスドメイン通信の課題

ブラウザの同一オリジンポリシーと、iframeのクロスドメイン通信に対する制限について簡単に説明します。 DOMを直接操作する方法では、安全なクロスドメインデータの受け渡しを実現できない理由を説明します。 `postMessage` APIを解決策として紹介します。

2. postMessage APIの詳細

`postMessage` メソッドの構文とパラメータについて説明します。

  • `message`: 渡すデータ
  • `targetOrigin`: メッセージを受信するウィンドウのオリジン。セキュリティチェックに使用されます。

メッセージの受信側が`message`イベントリスナーを使用してメッセージを処理する方法について説明します。 `event.origin`を使用してメッセージの発信元を検証することの重要性を強調します。

3. iframeの親子ページ間通信の例

親ページから子ページにメッセージを送信し、子ページからの返信を受信する方法を示すコード例を示します。


<!-- 親ページ -->
<iframe id="myIframe" src="https://example.com/child.html"></iframe>
<script>
const iframe = document.getElementById('myIframe');
const message = { type: 'request', data: 'Hello from parent!' };

// 子ページにメッセージを送信
iframe.contentWindow.postMessage(message, 'https://example.com');

// 子ページからのメッセージを受信
window.addEventListener('message', (event) => {
  // メッセージの発信元を確認
  if (event.origin !== 'https://example.com') return;

  // メッセージを処理
  console.log('親ページが受信:', event.data);
});
</script>
    

<!-- 子ページ -->
<script>
// 親ページからのメッセージを受信
window.addEventListener('message', (event) => {
  // メッセージの発信元を確認
  if (event.origin !== 'https://your-domain.com') return;

  // メッセージを処理
  console.log('子ページが受信:', event.data);

  // 親ページに返信を送信
  event.source.postMessage({ type: 'response', data: 'Hello from child!' }, event.origin);
});
</script>
    

コードロジックについて詳しく説明します。

  • 親ページがメッセージを送信するタイミングとターゲットウィンドウ
  • 子ページがメッセージを受信した後の処理と返信
  • 親ページが返信を受信した後の処理

セキュリティとエラー処理の重要性を強調します。

4. postMessageの適用例

`postMessage`の一般的な適用例を以下に示します。

  • サードパーティログインと認証
  • 埋め込み決済ページとメインサイト間のインタラクション
  • ページに埋め込まれた広告とメインサイト間の通信

これらのシナリオにおける`postMessage`の利点について簡単に説明します。

シナリオ postMessageの利点
サードパーティログインと認証 安全な方法でメインサイトとサードパーティ認証プロバイダー間でデータをやり取りできます。
埋め込み決済ページとメインサイト間のインタラクション 機密性の高い決済情報を公開することなく、安全な方法で決済処理を行うことができます。
ページに埋め込まれた広告とメインサイト間の通信 ユーザーエクスペリエンスを向上させるために、広告とメインサイト間のインタラクションを可能にします。

5. まとめ

`postMessage`はiframeのクロスドメイン通信の有効な解決策であることをまとめます。 開発者に対し、安全で信頼性の高いWebアプリケーションを構築するために`postMessage`を使用することを推奨します。

関連文献

QA

Q1: `postMessage`は古いブラウザでも動作しますか?

A1: ある程度の互換性がありますが、古いブラウザの中には`postMessage`をサポートしていないものもあります。開発するWebサイトのターゲットブラウザに合わせて、必要に応じてポリフィルを検討する必要があります。

Q2: `postMessage`を使用する際に注意すべきセキュリティ上のリスクはありますか?

A2: はい、`event.origin`を適切にチェックしないと、悪意のあるサイトからのメッセージを受信してしまう可能性があります。常にメッセージの発信元を検証し、信頼できるオリジンからのメッセージのみを処理することが重要です。

Q3: `postMessage`はiframe以外の要素でも使用できますか?

A3: はい、`postMessage`はウィンドウオブジェクトを持つ他の要素、例えばwindow.open()で開いた新しいウィンドウやWeb Workerとの通信にも使用できます。

その他の参考記事:jquery iframe 親