setTimeout setInterval 違い

 

JavaScriptタイマー徹底解説:setTimeoutとsetIntervalの違いと活用シーン

本記事では、JavaScriptでよく使われる2つのタイマーメソッド、setTimeoutとsetIntervalの違い、メリット・デメリット、そしてそれぞれの適切な使用シーンについて掘り下げて解説します。これらのタイマーメソッドをより深く理解し、効果的に活用するための情報を提供します。

setTimeout - 一度だけの遅延実行

setTimeoutは、指定した時間が経過した後に、一度だけ関数を実行するためのタイマーメソッドです。

定義と構文

setTimeoutの構文は以下の通りです。

setTimeout(function, delay, arg1, arg2, ...);
  • function: 指定時間後に実行する関数
  • delay: 関数を実行するまでの遅延時間(ミリ秒単位)
  • arg1, arg2, ...: 関数に渡す引数(オプション)

一度だけの遅延実行

setTimeoutは、指定された時間が経過した後、一度だけ関数を実行します。これは、例えば一定時間後にポップアップを表示したり、非同期処理をシミュレートする際に便利です。

コード例

// 3秒後にメッセージを表示
setTimeout(function() {
  alert('3秒が経過しました!');
}, 3000);

戻り値とclearTimeout

setTimeoutは、タイマーIDを返します。このIDは、clearTimeout関数を使用してタイマーをキャンセルするために使用できます。

let timerId = setTimeout(function() {
  console.log('これは実行されません');
}, 5000);

// タイマーをキャンセル
clearTimeout(timerId);

setInterval - 周期的な繰り返し実行

setIntervalは、指定した間隔で関数を繰り返し実行するためのタイマーメソッドです。

定義と構文

setIntervalの構文は以下の通りです。

setInterval(function, delay, arg1, arg2, ...);
  • function: 指定間隔で繰り返し実行する関数
  • delay: 関数を実行する間隔(ミリ秒単位)
  • arg1, arg2, ...: 関数に渡す引数(オプション)

周期的なコード実行

setIntervalは、指定された間隔で関数を繰り返し実行します。これは、例えば時計を作成したり、定期的にデータを取得したりする際に便利です。

コード例

// 1秒ごとにカウントアップ
let count = 0;
let intervalId = setInterval(function() {
  count++;
  console.log(count);
}, 1000);

戻り値とclearInterval

setIntervalも、タイマーIDを返します。このIDは、clearInterval関数を使用してタイマーをキャンセルするために使用できます。

let intervalId = setInterval(function() {
  // 何らかの処理
}, 1000);

// タイマーをキャンセル
clearInterval(intervalId);

setTimeoutとsetIntervalの核心的な違い

setTimeoutとsetIntervalはどちらもタイマー機能を提供しますが、いくつかの重要な違いがあります。

機能 setTimeout setInterval
実行回数 一度だけ 繰り返し
コード実行タイミング 指定時間経過後 指定間隔ごと
累積効果 なし あり(実行間隔が処理時間より短い場合)
  • **実行回数:** setTimeoutは関数を一度だけ実行するのに対し、setIntervalは関数を繰り返し実行します。
  • **コード実行タイミング:** setTimeoutは指定された時間が経過した後に初めて関数を呼び出しますが、setIntervalは指定された間隔で関数を繰り返し呼び出します。これにより、setIntervalは処理が完了する前に次の呼び出しが発生する可能性があり、累積効果をもたらす可能性があります。

最適な方案の選択:setTimeoutとsetIntervalの使い分け

setTimeoutとsetIntervalのどちらを使用するかは、実現したい動作によって異なります。

  • **一度だけの遅延実行:** 一定時間後にポップアップを表示する、アニメーションの終了時に処理を実行するなど、一度だけ遅延実行する場合はsetTimeoutが適しています。
  • **周期的な繰り返し実行:** カウントダウンタイマーを作成する、定期的にデータを取得するなど、一定間隔で処理を繰り返す場合はsetIntervalが適しています。

潜在的な問題と注意事項

setTimeoutとsetIntervalは便利なタイマー機能ですが、使用時に注意すべき点もあります。

  • 関数の実行時間の考慮: setTimeoutやsetIntervalで指定した時間は、あくまで関数の実行が予約されるまでの時間であり、関数の処理時間が考慮されているわけではありません。関数の処理時間が長すぎる場合、タイマーの精度が低下したり、ブラウザの動作が不安定になる可能性があります。このような場合は、処理を分割したり、Web Workerを活用するなどして、関数の実行時間を短縮することが重要です。
  • clearIntervalの呼び出し: setIntervalを使用する場合は、タイマーが不要になった時点でclearIntervalを呼び出してタイマーを停止する必要があります。clearIntervalを呼び出さないと、タイマーはバックグラウンドで動作し続け、メモリリークの原因となる可能性があります。

まとめ

本記事では、JavaScriptのタイマーメソッドであるsetTimeoutとsetIntervalについて解説しました。それぞれの違い、特徴、そして使用上の注意点を理解することで、より効果的にJavaScriptを活用することができます。

関連QA

Q1: setTimeoutとsetIntervalは、正確なタイミングで実行されることを保証されていますか?

A1: いいえ、JavaScriptのタイマーは、正確なタイミングでの実行を保証するものではありません。ブラウザの処理状況や他のスクリプトの実行状況によって、多少のずれが生じる可能性があります。

Q2: setTimeoutやsetIntervalで、関数の代わりに直接コードを実行することはできますか?

A2: はい、setTimeoutやsetIntervalの最初の引数には、関数だけでなく、実行したいコードを文字列として渡すことも可能です。ただし、可読性や保守性の観点から、関数として定義することをお勧めします。

Q3: setTimeoutやsetIntervalで設定したタイマーは、別のページに遷移しても有効ですか?

A3: いいえ、setTimeoutやsetIntervalで設定したタイマーは、現在のページでのみ有効です。別のページに遷移すると、タイマーはキャンセルされます。

その他の参考記事:jquery setinterval