Azure 無料でどこまで?

Azure 無料でどこまで? 無料アカウントでできることとその限界

Azureの無料アカウントは、クラウドサービスを試用・学習したい方にとって魅力的な選択肢です。しかし、無料であるがゆえの制限も存在します。本記事では、Azureの無料アカウントでできること、利用可能なサービス、そして無料枠の限界や注意点について解説します。

Azure無料アカウント:できること

Azureの無料アカウントでは、様々なサービスを制限付きで利用できます。主な用途は以下の通りです。

  • AI・機械学習プロジェクトの構築: Azure Machine LearningやCognitive ServicesなどのAI関連サービスを一定量まで無料で利用できます。画像認識、自然言語処理、感情分析、音声認識、翻訳など、様々なAI機能を試すことができます。例えば、Custom Visionを使って独自の画像分類モデルをトレーニングしたり、Translator Text APIで多言語翻訳機能をアプリケーションに組み込んだりすることができます。

  • IoTソリューションの構築: Azure IoT HubやIoT CentralといったIoTサービスを利用して、デバイスの接続、データの収集・分析、そしてIoTアプリケーションの開発を行うことができます。例えば、センサーデータのリアルタイム監視、予知保全、スマートホームアプリケーションの開発などが可能です。無料枠内では、接続デバイス数やデータ量に制限があります。

  • 開発者ツールとDevOpsの統合: Azure DevOpsやVisual Studio Codeなどの開発ツールを無料で利用できます。CI/CDパイプラインの構築、コードの管理、バグの追跡、そしてチーム開発などを体験できます。プライベートリポジトリの作成、自動ビルド・デプロイ、テスト自動化など、DevOpsの主要機能を無料で活用できます。

  • クラウドのIDとアクセス管理: Azure Active Directory (Azure AD) を利用して、ユーザー認証、アクセス制御、シングルサインオンなどを実装できます。アプリケーションへのセキュアなアクセスを提供し、ID管理を一元化できます。無料枠では、ユーザー数や認証回数に制限があります。

Azure無料アカウント:利用可能なサービスと無料枠

Azure無料アカウントには、以下の無料枠が提供されます。

  • ¥22,500のAzureクレジット (30日間有効): ほぼすべてのAzureサービスで利用可能なクレジットです。無料サービスの枠を超えた利用や、無料サービス対象外のサービスに適用されます。このクレジットはアカウント作成後30日間で失効するため、期限内に使い切るようにしましょう。

  • 12ヶ月無料サービス: 一部のAzureサービスを、12ヶ月間無料枠の範囲内で利用できます。例えば、仮想マシン(B1S、特定のリージョン)、ストレージ(5GBのStandardファイルストレージ)、データベース(Azure SQL Databaseサーバーレス、特定のリージョン)などです。これらのサービスは、12ヶ月経過後は自動的に課金対象となるため、注意が必要です。

  • 常時無料サービス: 一部のAzureサービスは、アカウントを保有している限り、常に無料で利用できます。ただし、使用量や機能に制限があります。例えば、Azure App Service、Azure Functions、Azure Cosmos DB (Free Tier)、Azure Static Web Appsなどです。これらのサービスは、無料枠を超えた利用は課金対象となります。

Azure無料アカウント:無料枠の限界と注意点

Azure無料アカウントには、以下の制限と注意点があります。

  • 利用は原則1人1回限り: 同じ人物が複数の無料アカウントを作成することはできません。クレジットカード情報や電話番号などで本人確認が行われます。

  • 30日間の期限付きクレジット: 無料クレジットは30日間で失効します。未使用分のクレジットは繰り越されません。

  • 12ヶ月無料サービスの期限: 12ヶ月無料サービスは、サービスごとに提供開始日から12ヶ月で終了し、その後は通常料金が適用されます。

  • リソースの上限: 利用できるリソース(仮想マシンのサイズ、ストレージ容量、サービスの使用回数など)には上限があります。上限を超えた場合は、クレジットが消費されるか、サービスが停止する可能性があります。

  • 無料トライアル終了後のリソース: 無料トライアル期間が終了すると、作成したAzureリソースは利用できなくなります。必要なデータは事前にバックアップするか、有料プランに移行する必要があります。

  • サポート: 無料アカウントでは、無料のコミュニティサポート(フォーラム、ドキュメントなど)のみが提供されます。専門的なサポートが必要な場合は、有料サポートプランにアップグレードする必要があります。

Azure無料アカウントの利用状況の確認

Azureポータルで、無料アカウントの利用状況を確認できます。「サブスクリプション」から、無料アカウントに関連付けられたサブスクリプションを選択し、使用状況、残りのクレジット、無料サービスの利用状況などを確認しましょう。定期的に利用状況を確認することで、予期せぬ課金を防ぐことができます。

まとめ

Azure無料アカウントは、Azureの様々なサービスを体験し、クラウドコンピューティングを学ぶための良い機会です。無料クレジット、12ヶ月無料サービス、そして常時無料サービスをうまく活用しましょう。ただし、無料枠には制限があるため、利用状況を定期的に確認し、必要に応じて有料プランに移行することが重要です。

関連Q&A

Q1: Azureの無料プランはいつまで利用できますか?
A1: 初回登録から30日間の無料試用期間後も、いくつかのサービスは無料で利用できるプランが続きます。
Q2: 無料プランでビジネスアプリを運営できますか?
A2: 可能ですが、リソースが限られているため、商用利用には適さない場合があります。
Q3: 有料プランへのアップグレードは簡単ですか?
A3: はい、Azureはプランの変更が簡単にできるよう設計されています。必要に応じていつでもアップグレード可能です。

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