ワードプレス コーディング

ワードプレス コーディングの基本

本記事では、ワードプレスのコーディングに関する基本的な知識と技術について説明します。具体的には、テーマやプラグインの開発方法、カスタマイズの手法について取り上げます。

「せっかく作ったHTMLサイト、WordPress化したいけど、どうすればいいか分からない…」

そんな悩みをお持ちのあなたへ。この記事では、HTMLで構築されたWebサイトをWordPressに移行する際のコツと手順を、具体的なコーディング例を交えながら分かりやすく解説します。

WordPress化しやすいHTMLコーディングのポイントをマスターすれば、移行作業がスムーズに進み、効率アップ間違いなしです!

そもそもWordPressにするメリット・デメリットってなに?

HTMLサイトをWordPress化する前に、まずはWordPressのメリット・デメリットを理解しておきましょう。

WordPressとは

WordPressは、世界中で広く利用されているCMS(コンテンツマネジメントシステム)です。CMSとは、Webサイトのコンテンツを簡単に作成・管理・更新できるシステムのこと。

WordPressを使うと、HTMLやCSSなどの専門知識がなくても、直感的な操作でWebサイトを構築・運営できます。

WordPressのメリット

WordPressには、以下のようなメリットがあります。

  • 無料で使える: WordPress自体は無料で利用できます。

  • カスタマイズ性が高い: テーマやプラグインを利用することで、デザインや機能を自由にカスタマイズできます。

  • 情報が多い: 利用者が多いので、インターネット上に情報が豊富にあり、困ったときに解決策を見つけやすいです。

  • SEOに強い: WordPressは、検索エンジンに好まれやすい構造になっているため、SEOに有利です。

WordPressのデメリット

WordPressには、以下のようなデメリットもあります。

  • サーバーとドメインが必要: WordPressを利用するには、別途サーバーとドメインを取得する必要があります。

  • 技術力が必要な場合がある: 高度なカスタマイズやトラブルシューティングには、HTML、CSS、PHPなどの知識が必要になることがあります。

  • セキュリティリスク: WordPressは、攻撃対象になりやすいCMSとしても知られています。セキュリティ対策をしっかり行う必要があります。

もしWordPressがなかったら…?

WordPressを使わずに静的HTMLサイトを運営する場合、コンテンツの更新や管理が非常に手間になります。

例えば、ブログ記事を1つ更新するだけでも、HTMLファイルを編集し、サーバーにアップロードする必要があります。

また、問い合わせフォームのような動的な機能を追加する場合は、PHPなどのプログラミング言語の知識が必要になります。

WordPressを使うことで、これらの手間を大幅に削減できます。

HTMLファイルをWordPressに移行する手順

HTMLファイルをWordPressに移行する基本的な手順は以下の3つです。

手順1:部品ごとに分ける

WordPressでは、Webサイトを「ヘッダー」「フッター」「コンテンツ」「サイドバー」などの部品に分けて管理します。

HTMLファイルをWordPressに移行する際は、まずHTMLファイルをこれらの部品ごとに分割する必要があります。

それぞれの部品は、WordPressの「テンプレート」と呼ばれるファイルに保存します。

主なテンプレートファイルは以下の通りです。

テンプレート名 用途
header.php ヘッダー
footer.php フッター
sidebar.php サイドバー
index.php トップページ
page.php 固定ページ
archive.php 投稿一覧ページ
single.php 投稿記事ページ
category.php カテゴリ別ページ

手順2:パスの置き換え

HTMLファイルでは、CSS、JavaScript、画像ファイルなどのパスは、相対パスまたは絶対パスで指定します。

WordPressでは、これらのファイルのパスをWordPressの関数を使って指定する必要があります。

例えば、CSSファイルのパスは以下のように置き換えます。

HTML:

<link rel="stylesheet" type="text/css" href="/css/style.css">

WordPress:

<link rel="stylesheet" type="text/css" href="<?php echo get_template_directory_uri(); ?>/css/style.css">

get_template_directory_uri()関数は、現在使用しているテーマのディレクトリのURLを取得する関数です。

同様に、画像ファイルのパスは以下のように置き換えます。

HTML:

<img src="/images/logo.png" alt="ロゴ">

WordPress:

<img src="<?php echo get_template_directory_uri(); ?>/images/logo.png" alt="ロゴ">

手順3:ループなど関数の組み込み

WordPressでは、「ループ」と呼ばれる仕組みを使って、データベースから投稿記事や固定ページなどのコンテンツを取得し、表示します。

HTMLファイルをWordPressに移行する際は、ループ処理やWordPressの関数を使って、コンテンツを動的に表示するように変更する必要があります。

例えば、ブログ記事の一覧を表示する場合は、以下のようなコードを使用します。

<?php if ( have_posts() ) : while ( have_posts() ) : the_post(); ?>

<article>
  <h2><a href="<?php the_permalink(); ?>"><?php the_title(); ?></a></h2>
  <div class="entry-content">
    <?php the_excerpt(); ?>
  </div>
</article>

<?php endwhile; endif; ?>

have_posts()関数は、表示する投稿記事があるかどうかを判定する関数です。

the_post()関数は、次の投稿記事を取得する関数です。

the_permalink()関数は、投稿記事へのパーマリンクを取得する関数です。

the_title()関数は、投稿記事のタイトルを取得する関数です。

the_excerpt()関数は、投稿記事の抜粋を取得する関数です。

これらの関数を使うことで、HTMLファイルをWordPressの動的な仕組みと連携させることができます。

組み込みやすいHTML:共通編

WordPressに組み込みやすいHTMLコーディングをするためのポイントは、以下の通りです。

共通化しやすいような順番を意識してコーディングする

WordPressでは、ヘッダー、フッター、サイドバーなどの部品を、複数のページで共通して使用します。

HTMLコーディングをする際は、これらの共通部品を意識して、コードを整理しておくと、WordPress化がスムーズになります。

CSSは相対パスで

CSSファイルのパスは、相対パスで指定しておきましょう。

こうすることで、WordPressに移行した際に、パスの変更が不要になります。

jQueryを使う場合は2重呼び出しにならないよう注意

WordPressには、デフォルトでjQueryが読み込まれています。

HTMLファイルでjQueryを読み込んでいる場合は、WordPressに移行した際に、jQueryが2重に読み込まれてしまう可能性があります。

jQueryの2重読み込みを防ぐためには、WordPressのwp_enqueue_script()関数を使ってjQueryを読み込むようにしましょう。

人為的なミスやイレギュラーな場合もカバーできるようにする

WordPressの管理画面では、ユーザーが自由にコンテンツを入力できます。

そのため、HTMLコーディングをする際は、ユーザーが想定外の入力を行った場合でも、Webサイトが正常に表示されるように、柔軟性のあるコーディングを心がけましょう。

例えば、ブログ記事のカテゴリを表示する際に、カテゴリが設定されていない場合でも、レイアウトが崩れないように、CSSで余白などを調整しておく必要があります。

組み込みやすいHTML:投稿記事ページ編

投稿記事ページは、WordPressで最も頻繁に更新されるページの一つです。

投稿記事ページをコーディングする際は、以下の点に注意しましょう。

管理画面で入力する箇所はクラスをつけない

投稿記事のタイトルや本文は、WordPressの管理画面から入力します。

管理画面では、HTMLタグにクラスを付けることはできません。

そのため、HTMLコーディングをする際は、投稿記事のタイトルや本文にクラスを付けないようにしましょう。

どんな順番でも余白が付くように気を付ける

投稿記事のコンテンツは、ユーザーが自由に配置できます。

そのため、HTMLコーディングをする際は、コンテンツの順番が変わった場合でも、レイアウトが崩れないように、余白などを適切に設定する必要があります。

例えば、見出しと段落の間に余白を設ける場合は、見出しと段落の両方にマージンを設定するのではなく、見出しの下にマージンを設定する方が、コンテンツの順番が変わってもレイアウトが崩れにくくなります。

組み込みやすいHTML:その他編

【記事一覧など】ページ送りのクラスに気をつける

WordPressの投稿記事一覧ページなどでページ送り機能を実装する場合は、WordPressのpaginate_links()関数を使用することが一般的です。

paginate_links()関数は、ページ送り用のHTMLコードを自動生成しますが、生成されるHTMLコードには、特定のクラスが付与されています。

そのため、HTMLコーディングをする際は、paginate_links()関数が出力するHTMLコードに合わせて、CSSを記述する必要があります。

paginate_links()関数が出力するHTMLコードのクラス名と用途は以下の通りです。

クラス名 用途
page-numbers ページ番号
page-numbers current 現在のページ番号
page-numbers prev 前のページへのリンク
page-numbers next 次のページへのリンク
page-numbers dots 省略記号

まとめ:どうしても難しいところはプロにお任せ

WordPressは、無料で利用でき、カスタマイズ性も高く、SEOにも強いCMSです。

しかし、WordPressを使いこなすには、ある程度のHTML、CSS、PHPの知識が必要となる場合もあります。

WordPress化に不安がある場合は、WordPressの専門家に依頼することをおすすめします。

ワードプレステーマのカスタマイズ方法

ワードプレステーマをカスタマイズする方法について詳しく解説します。テーマのテンプレート構造やCSSの編集、子テーマの使い方など、実践的なテクニックを紹介します。

テーマのファイル 説明
header.php ヘッダー部分のHTMLコードを管理します。
footer.php フッター部分のHTMLコードを管理します。
style.css テーマのスタイルに関するCSSコードを記述します。

以下は、基本的なCSSコードの例です:

<style>
body {
    font-family: Arial, sans-serif;
    background-color: #f5f5f5;
}
h1 {
    color: #333;
}
</style>

プラグインの作成と活用

独自のプラグインを作成する方法と、既存のプラグインを活用する技術に焦点を当てます。基本的なプラグインの構造や機能の追加方法についても解説します。

以下は、基本的なプラグインの構造の例です:

<?php
/**
 * Plugin Name: Sample Plugin
 * Description: これはサンプルプラグインです。
 * Version: 1.0
 * Author: あなたの名前
 */
function sample_plugin_function() {
    echo 'Hello, World!';
}
add_action('wp_footer', 'sample_plugin_function');
?>

コーディングに役立つツールとリソース

ワードプレスのコーディング作業を効率化するためのツールやリソースを紹介します。開発環境の整備やデバッグツール、おすすめの学習資料についても触れます。

まとめ

ワードプレスのコーディングは、テーマやプラグインのカスタマイズを通じて、より魅力的なサイトを構築するための重要なスキルです。この記事で紹介した基本的な知識を元に、ぜひ実践してみてください。

QA

Q1: 子テーマはどのように作成できますか?
A1: 子テーマは、通常のテーマフォルダ内に新しいフォルダを作り、その中にスタイルシートやその他のファイルを配置することで作成できます。

Q2: プラグインのセキュリティ対策には何がありますか?
A2: ユーザー入力のサニタイズ、バリデーション、データベースへの直接的なアクセスを避けることが重要です。

Q3: コーディングに役立つデバッグツールはありますか?
A3: Query MonitorやDebug Barなどのプラグインは、デバッグ作業を効率化するために役立ちます。

その他の参考記事:wordpress プログラミング