cursor pointer 効かない

cursor pointer 効かない問題の解決法

この文章では、ウェブデザインにおける「cursor pointer」が効かない問題について説明し、原因とその解決策を提案します。特に、ユーザーインターフェースの使い勝手を向上させるための具体的な手法が紹介されています。

CSSのcursor: pointer; が効かない時にまず確認したい3つのこと

Webサイト制作において、クリック可能な要素には、ユーザーにクリックできることを視覚的に伝えるために、マウスオーバー時にカーソルをポインターに変更することが一般的です。
CSSでは、cursor: pointer; を指定することで簡単に実現できますが、時折、このプロパティが意図通りに動作しないことがあります。

この記事では、cursor: pointer; が効かない場合に確認すべき3つのポイントを、具体的な例を挙げながら解説します。

1. 要素が被ってしまっていないかを確認

cursor: pointer; が効かない最もよくある原因は、他の要素がターゲット要素の上に重なっている 場合です。
要素が重なっていると、下の要素はクリックできなくなるため、cursorプロパティも適用されません。

特に、positionプロパティを使って要素を重ねて配置している場合、要素の重なり順序に注意が必要です。
要素の重なり順序は、z-indexプロパティで制御することができます。

例:

<div class="button-container">
  <button class="button">クリック</button>
</div>
<div class="overlay"></div>
.button-container {
  position: relative;
}

.button {
  cursor: pointer;
}

.overlay {
  position: absolute;
  top: 0;
  left: 0;
  width: 100%;
  height: 100%;
  background-color: rgba(0, 0, 0, 0.5); /* 半透明のオーバーレイ */
  /* z-indexが指定されていないため、ボタンの上に重なる */
}

上記の例では、.overlay要素が.button要素の上に重なっているため、ボタンはクリックできず、カーソルもポインターになりません。
これを解決するには、.button要素にz-indexプロパティを設定し、.overlay要素よりも上に表示されるようにします。

.button {
  cursor: pointer;
  z-index: 1; /* オーバーレイよりも上に表示 */
}

2. 画像にしたい場合は記述が合っているかを確認

cursorプロパティでは、url()関数を使って、独自の画像をカーソルとして設定 することができます。
しかし、画像のURLを指定するだけでは、カーソルは変更されません。
必ず、URLの後に 代替となるキーワード値 (例: pointer) を指定する必要があります。

例:

.custom-cursor {
  cursor: url("my-cursor.png"), pointer;
}

上記の例では、my-cursor.png という画像をカーソルとして使用し、画像が読み込めない場合は pointer カーソルを表示します。

また、画像のサイズが大きすぎる場合 にも、カーソルが変更されないことがあります。
ブラウザによって最大サイズが異なりますが、一般的には32x32ピクセル以下の画像を使用することが推奨されます。

3. それでも治らない時はPhotoshopを開いているか確認

cursorプロパティが正しく設定されているにもかかわらず、カーソルが変更されない場合は、Photoshopなどの画像編集ソフトが開いているか を確認してみてください。

これは、一部のブラウザで発生する既知のバグであり、Photoshopなどの画像編集ソフトが開いていると、cursorプロパティが正しく動作しないことがあります。
このバグは、2016年頃から報告されていますが、まだ完全には解決されていません。

もしPhotoshopなどの画像編集ソフトが開いている場合は、一旦閉じてからブラウザを再読み込み してみてください。

まとめ

cursor: pointer; が効かない場合、まずは上記3つのポイントを確認してみてください。
ほとんどの場合、これらのいずれかの原因で問題が発生しています。

  • 要素の重なり順序

  • 画像カーソルの指定方法

  • Photoshopなどの画像編集ソフトの起動状態

これらのポイントを理解しておくことで、cursor: pointer; を正しく設定し、ユーザーにとってより使いやすいWebサイトを作成することができます。

解決策とベストプラクティス

cursor pointer の問題を解決するためには、以下の具体的な手法を試みると良いでしょう。


/* クリック可能な要素に対するスタイル */
.button {
    cursor: pointer; /* ここでは、cursorプロパティを設定 */
    background-color: #008CBA; /* 背景色 */
    color: white; /* テキスト色 */
    padding: 14px 20px; /* パディング */
    border: none; /* ボーダーなし */
    border-radius: 5px; /* 角丸 */
}

このように、明確にcursorプロパティを設定することで、ユーザーは要素をクリックする意図を理解しやすくなります。

さらに、HTML構造が正しく、要素が重なっていないことを確認することも重要です。

参考文献: Smashing Magazine - CSS Cursor Problems

QA

Q1: cursorプロパティはどの要素に設定するべきですか?

A1: どのクリック可能な要素にも設定できますが、特にボタンやリンクに設定することが一般的です。

Q2: CSSの設定ミスとは何ですか?

A2: 他のCSSスタイルがcursorプロパティに優先されてしまうケースです。具体的には、!importantなどで強制されているスタイルです。

Q3: 重なる要素にはどのように対処すべきですか?

A3: z-indexやpositionプロパティを調整して、正しくクリックできる要素を上に持ってくる必要があります。

その他の参考記事:css cursor