compute engine マシンタイプ

Compute Engine マシンタイプ:多様なワークロードに対応する最適な選択

Compute Engine マシンタイプは、Google Cloud Platform(GCP)の仮想マシン(VM)インスタンスにおいて、リソース(vCPU、メモリ、ディスク、GPUなど)の組み合わせを定義する重要な要素です。GCPでは、さまざまなマシンタイプが提供されており、これらをワークロードの特性や要件に応じて適切に選択することで、パフォーマンスとコスト効率を最大化することが可能です。


Compute Engine マシンタイプの種類:目的に合わせた選択

Compute Engineには、以下のマシンタイプが用意されており、それぞれ異なる用途やワークロードに対応しています。

1. 汎用タイプ

汎用マシンは、幅広いワークロードに対応できる、バランスの取れた性能を提供します。これらはコストパフォーマンスにも優れ、一般的なアプリケーションやWebサーバー、データベースなどに最適です。

  • 例: E2, N1, N2, N2D, T2D, T2A, C3, C3D, C4, C4A, N4

2. コンピューティング最適化タイプ

コンピューティング最適化マシンは、高いCPU性能が求められるワークロードに適しています。これらのマシンは、集中的な計算処理が必要な用途(例えば、バッチ処理やシミュレーション)に最適です。

  • 例: C2, C2D, H3

3. メモリ最適化タイプ

メモリ最適化マシンは、大量のメモリを必要とするアプリケーション(例えば、データベース、大規模キャッシュ処理、ビッグデータ処理)に最適です。これらのマシンは、大量のメモリを効率的に活用するため、メモリ集約型のワークロードに適しています。

  • 例: M1, M2, M3, X4

4. ストレージ最適化タイプ

ストレージ最適化マシンは、高性能なディスクストレージを必要とするワークロードに最適です。データベースや大規模ファイル処理、高速なストレージアクセスが必要なアプリケーションに使用されます。

  • 例: Z3

5. アクセラレータ最適化タイプ

アクセラレータ最適化マシンは、GPUTPUを搭載しており、特に機械学習(ML)、深層学習(DL)、科学技術計算(HPC)などの演算集約型ワークロードに最適です。

  • 例: A2, A3, G2, N1 + GPU

6. 共有コアタイプ

共有コアマシンは、低コストで利用できるマシンタイプです。CPUコアを複数のインスタンスで共有するため、コストが抑えられます。リソースが少なくても問題ない小規模なワークロードに適しています。

  • 例: e2-micro, e2-small, e2-medium, f1-micro, g1-small

Compute Engine マシンタイプ:シリーズと世代

各マシンファミリーは、さらにシリーズ世代に分類されます。

1. シリーズ

同じファミリー内でも異なるCPUや機能を備えたシリーズが存在します。たとえば、N2N2Dは同じ汎用ファミリーに属しますが、異なるCPU(Intel vs AMD)を使用しています。このように、シリーズごとにパフォーマンスや機能が異なるため、ワークロードに適したシリーズを選ぶことが重要です。

  • 例: N2, N2D, C2, C2D

2. 世代

マシンタイプの世代は、数字が大きくなるほど新しい世代を意味します。新しい世代では、通常、より高性能なCPUや最新のテクノロジーを搭載しており、性能向上が期待できます。従って、最新の世代を選ぶことで、より効率的なパフォーマンスを得ることが可能です。

  • 例: N1(旧世代) vs N2(新世代)

Compute Engine マシンタイプ:事前定義済みとカスタム

Compute Engineでは、事前定義済みマシンタイプカスタムマシンタイプの2種類が提供されています。

1. 事前定義済みマシンタイプ

事前定義済みマシンタイプは、vCPUとメモリの組み合わせがあらかじめ決められているタイプです。これにより、特定のワークロードに合わせた性能を簡単に選択できます。例えば、n1-standard-2のように名前が付けられており、安定した性能を提供します。

2. カスタムマシンタイプ

カスタムマシンタイプでは、vCPUとメモリの量を自由に設定できるため、特定の要件に合わせた最適なインスタンスを構築できます。この柔軟性により、リソースを無駄にせず、効率的に利用できます。


Compute Engine マシンタイプ:命名規則

Compute Engineのマシンタイプ名は、次の形式で表されます:

  • 形式: ファミリー-シリーズ-vCPU数
    例: n1-standard-2
    ここで、「n1」はファミリー、「standard」はシリーズ、「2」はvCPUの数を示します。

Compute Engine マシンタイプ:選択のポイント

Compute Engineのマシンタイプを選択する際には、以下のポイントを考慮することが重要です。

1. ワークロードの要件

まず、ワークロードに必要なCPU、メモリ、ストレージ、ネットワーク性能を考慮し、それに最適なマシンタイプを選びます。例えば、高い計算能力が必要な場合はコンピューティング最適化マシンを選び、メモリが重要な場合はメモリ最適化マシンを選びます。

2. コスト

マシンタイプによってコストは異なるため、予算に合わせて最適なマシンタイプを選択します。事前定義済みのマシンタイプは予算管理がしやすく、カスタムタイプは柔軟なリソース設定が可能ですが、その分コストを最適化するための注意が必要です。

3. 可用性

最後に、選んだマシンタイプが使用したいリージョンで利用可能であることを確認します。特定のリージョンで特定のマシンタイプが利用できない場合もあるため、事前にチェックしておくことが重要です。


Compute Engine マシンタイプ:最適なタイプの選び方

GCPでは、ワークロードに最適なマシンタイプを推奨する自動推奨機能を提供しています。この機能を活用することで、必要なリソースを自動的に提案し、最適なマシンタイプを選択する手助けになります。


まとめ

Compute Engineマシンタイプは、GCPで仮想マシンを構築する際に最も重要な選択肢の一つです。多様なマシンタイプの中から、ワークロードの要件に合わせて最適なタイプを選択することが、パフォーマンスとコスト効率を最大化する鍵となります。適切なマシンタイプを選ぶことで、GCPの仮想マシンを最大限に活用し、効率的なクラウド環境を構築できます。

参考文献

Compute Engineのマシンタイプに関する詳細情報は、以下のリンクをご参照ください。
Compute Engine マシンタイプ - Google Cloud

Q&A

Q1: マシンタイプはどのように選べばよいですか?
A1: アプリケーションの要求性能やコスト対効果を考慮して適切なマシンタイプを選択します。
Q2: 汎用マシンはどのような用途に向いていますか?
A2: 汎用マシンはバランスの取れた性能を持っているため、さまざまなアプリケーションに適しています。
Q3: 計算最適化マシンの主な用途は何ですか?
A3: 高負荷な処理や高性能なコンピュータが必要なアプリケーションに最適です。

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