HTML5は廃止? いまさら聞けないWebの歴史とこれから
「HTML5が廃止された」という話を聞いたことはありますか? Webエンジニアにとっては、すでに知られたニュースですが、IT業界以外の人の中には、初めて聞いたという人もいるのではないでしょうか。
この記事では、HTML5が廃止された背景や、HTMLの歴史、そしてこれからのWeb開発について解説していきます。
HTML5とは?
HTML5とは、Webページを作成するための言語であるHTMLの5番目のバージョンです。2014年にW3C(World Wide Web Consortium)によって勧告されました。従来のHTMLと比べて、動画や音声の再生、グラフィック描画、Webアプリケーション開発など、様々な機能が追加されました。
機能 | 説明 |
---|---|
<video>タグ | Webページに動画を埋め込む |
<audio>タグ | Webページに音声を埋め込む |
<canvas>タグ | JavaScriptを使って図形や画像を描画する |
Web Storage | Webブラウザにデータを保存する |
Geolocation API | Webページでユーザーの位置情報を取得する |
HTML5はなぜ廃止された?
正確には、「HTML5」というバージョン自体が廃止されたわけではありません。HTMLは、現在も進化を続けている「Living Standard(リビングスタンダード)」と呼ばれる状態に移行しました。つまり、バージョン番号で区切って更新するのではなく、常に最新の仕様が反映されていくようになったのです。
2021年1月28日に、W3CはHTML Living Standardを正式に勧告しました。これにより、HTML5というバージョン名は過去のものとなり、HTML Living StandardがWebページ作成の標準となりました。
HTMLの歴史
HTMLの歴史を簡単に振り返ってみましょう。
年 | バージョン | 説明 |
---|---|---|
1993年 | HTML | 最初のバージョン |
1995年 | HTML 2.0 | フォームやテーブルなどの要素が追加 |
1997年 | HTML 3.2 | フレームやスタイルシートのサポートが追加 |
1999年 | HTML 4.01 | 広く普及したバージョン |
2014年 | HTML5 | 動画や音声、グラフィック、Webアプリなどに対応 |
2021年 | HTML Living Standard | 常に最新の仕様が反映される状態に移行 |
これからのWeb開発
HTML Living Standardへの移行により、Web開発はより柔軟でスピーディーなものになります。新しい機能やAPIが随時追加されていくため、常に最新の技術を取り入れたWebページを作成することが可能になります。
また、Web開発の現場では、HTMLに加えてCSSやJavaScriptなどの技術も併用されます。これらの技術も進化を続けており、Webページの可能性はますます広がっています。
HTML5廃止に関するQ&A
Q1: もうHTML5は使えないのですか?
A1: いいえ、HTML5で定義された要素やAPIは、HTML Living Standardでも引き続き使用できます。HTML5の知識は、これからのWeb開発においても重要な基礎となります。
Q2: Webページ作成の勉強はHTML5から始めるべきですか?
A2: はい、HTML5の基本を学ぶことは、Webページ作成の基礎を築く上で非常に有効です。その後、HTML Living Standardの最新情報や、CSS、JavaScriptなどの関連技術を学習していくと良いでしょう。
Q3: HTML Living Standardへの移行は、Webページに影響がありますか?
A3: 基本的に、HTML Living Standardへの移行によって、既存のWebページに大きな影響はありません。ただし、将来的に古い要素やAPIが廃止される可能性もあるため、最新情報に注意しておく必要があります。