jQuery .each index

jQuery .each() メソッド詳解:配列とオブジェクトを簡単に走査する

この記事では、jQuery の .each() メソッドについて掘り下げ、配列やオブジェクトを効率的に走査する方法を学びます。構文、パラメータ、使用方法、実際の適用例について説明し、この強力なツールを最大限に活用できるようにします。

jQueryのeach()メソッドの基本的な使い方

jQueryで複数のオブジェクトに対して繰り返し処理を行う際、each()メソッドは非常に便利です。each()メソッドには、jQueryオブジェクトに対して繰り返し処理を行うjQuery.each()メソッドと、引数で指定したオブジェクト(配列や連想配列など)に対して繰り返し処理を行う$.each()メソッドの2種類があります。

今回は、それぞれのeach()メソッドの使い方について、サンプルコードを交えながら詳しく説明していきます。

1. jQuery.each() の使い方

jQueryオブジェクトに対して繰り返し処理を行う場合は、jQuery.each()メソッドを使用します。

基本的な構文:

jQueryオブジェクト.each(function(index, element) {
  // 繰り返し実行する処理
});

each()メソッドの引数には、繰り返し処理の中で実行されるコールバック関数を指定します。コールバック関数は、各要素に対して順番に実行されます。

コールバック関数の第1引数indexには、現在処理されている要素のインデックス番号(0から始まる)が渡されます。第2引数elementには、現在処理されている要素(DOM要素)が渡されます。これらの引数は省略することも可能です。

サンプルコード:複数のリスト要素のテキストを変更する

<ul>
  <li>項目1</li>
  <li>項目2</li>
  <li>項目3</li>
</ul>

<script>
$('li').each(function(index) {
  $(this).text("リスト" + (index + 1)); 
});
</script>

この例では、$('li')で全てのリスト要素を選択し、each()メソッドで各要素に対して繰り返し処理を行っています。コールバック関数の中で、$(this)は現在処理されているリスト要素を表し、text()メソッドでテキスト内容を"リスト" + (index + 1)に変更しています。

実行結果として、リスト要素のテキストは以下のように変更されます。

リスト1
リスト2
リスト3

2. $.each() の使い方

$.each()メソッドは、jQuery.each()と異なり、jQueryオブジェクトだけでなく、配列や連想配列(ハッシュ)に対しても繰り返し処理を行うことができます。

基本的な構文:

$.each(対象のオブジェクト, function(index, value) {
  // 繰り返し実行する処理
});

$.each()メソッドの第1引数には、繰り返し処理の対象となるオブジェクトを指定します。第2引数には、繰り返し処理の中で実行されるコールバック関数を指定します。

コールバック関数の第1引数indexには、配列の場合はインデックス番号(0から始まる)、連想配列の場合はキーが渡されます。第2引数valueには、配列の場合は要素の値、連想配列の場合は値が渡されます。

サンプルコード:配列の要素をリストに追加する

var fruits = ["りんご", "みかん", "ぶどう"];

$.each(fruits, function(index, value) {
  $('ul').append("<li>" + value + "</li>");
});

この例では、fruits配列の各要素に対して$.each()メソッドで繰り返し処理を行っています。コールバック関数の中で、append()メソッドを使って各要素をリスト要素として<ul>に追加しています。

実行結果として、以下のようなHTMLが生成されます。

<ul>
  <li>りんご</li>
  <li>みかん</li>
  <li>ぶどう</li>
</ul>

$.each()メソッドは、繰り返し処理する要素がなくなると自動的に終了します。

3. each() を途中で終了させる

each()メソッドの処理を途中で終了させたい場合(いわゆるbreak文と同じような動作)は、終了させたい箇所にreturn false;を記述します。

サンプルコード:特定の値が見つかったらeach()を終了する

var numbers = [1, 5, 8, 10, 15];

$.each(numbers, function(index, value) {
  if (value === 10) {
    console.log("10が見つかりました!");
    return false; // each()を終了
  }
  console.log(value);
});

この例では、配列numbers$.each()で繰り返し処理し、要素が10であればconsole.log("10が見つかりました!");を出力してreturn false;each()を終了します。

実行結果は以下のようになります。

1
5
8
10が見つかりました!

10以降の要素(15)は処理されずにeach()が終了していることがわかります。

4. each() の処理を次へジャンプさせる

each()メソッドの処理を次へジャンプさせたい場合(いわゆるcontinue文と同じような動作)は、ジャンプさせたい箇所にreturn true;を記述します。このとき、return true;以降に記述されたコードは実行されません。

サンプルコード:偶数の値だけ処理する

var numbers = [1, 2, 3, 4, 5, 6];

$.each(numbers, function(index, value) {
  if (value % 2 !== 0) {
    return true; // 奇数の場合は次の要素へジャンプ
  }
  console.log(value); 
});

この例では、配列numbers$.each()で繰り返し処理し、要素が奇数であればreturn true;で次の要素へジャンプします。

実行結果は以下のようになります。

2
4
6

奇数の要素(1, 3, 5)は処理されずに、偶数の要素だけがconsole.log()で出力されていることがわかります。

jQuery.each()$.each()は、どちらも繰り返し処理を行うための便利なメソッドです。処理対象がjQueryオブジェクトの場合はjQuery.each()、配列や連想配列の場合は$.each()を使うようにしましょう。また、必要に応じてreturn false;return true;を使って繰り返し処理の流れを制御することも可能です。

配列の走査

  • .each() メソッドを使用して配列を走査するのは非常に簡単で、配列を jQuery オブジェクトに渡すだけです。
  • コールバック関数では、index を使用して現在の要素のインデックスにアクセスし、element を使用して現在の要素の値にアクセスできます。

例:

var fruits = ["リンゴ", "バナナ", "オレンジ"];

$(fruits).each(function(index, fruit) {
  console.log("インデックス:" + index + "、フルーツ:" + fruit);
});

オブジェクトの走査

  • .each() メソッドは、オブジェクトの走査にも使用できます。オブジェクトを jQuery オブジェクトにパラメータとして渡すだけです。
  • コールバック関数では、key を使用して現在の要素のキー名にアクセスし、value を使用して現在の要素の値にアクセスできます。

例:

var person = {
  name: "田中太郎",
  age: 30,
  city: "東京"
};

$.each(person, function(key, value) {
  console.log(key + ":" + value);
});

`this` キーワードの使用

  • .each() メソッドのコールバック関数では、this キーワードは現在反復処理されている要素を参照します。
  • this は DOM オブジェクトを参照するため、jQuery メソッドを使用して操作する場合は、jQuery オブジェクト $(this) に変換する必要があることに注意してください。

例:

$("li").each(function(index) {
  $(this).text("リスト項目 " + (index + 1));
});

ループの終了

  • .each() メソッドのコールバック関数では、return false を使用してループを途中で終了できます。

例:

$(numbers).each(function(index, number) {
  if (number > 5) {
    return false; // ループの終了
  }
  console.log(number);
});

まとめ

.each() メソッドは、jQuery で非常に便利でよく使用されるメソッドであり、配列やオブジェクトを走査するための便利なソリューションを提供します。この記事を読むことで、.each() メソッドの構文、パラメータ、使用方法を習得し、実際のプロジェクトで柔軟に活用できるようになるはずです。

関連QA

Q1: .each() メソッドと for ループの違いは何ですか?

A1: .each() メソッドは jQuery オブジェクト専用で、コールバック関数を使用して各要素を処理します。一方、for ループは JavaScript の基本的な構文であり、配列やオブジェクトを含むあらゆる反復処理に使用できます。.each() メソッドは、jQuery オブジェクトを扱う場合にコードを簡潔に保つのに役立ちます。

Q2: .each() メソッド内で this キーワードは何を参照しますか?

A2: .each() メソッドのコールバック関数内では、this は現在反復処理されている DOM 要素を参照します。jQuery メソッドを使用するには、$(this) で jQuery オブジェクトに変換する必要があります。

Q3: .each() メソッドのループを途中で終了するにはどうすればよいですか?

A3: コールバック関数内で return false; を使用すると、.each() メソッドのループを途中で終了できます。

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