jQuery :visible セレクタ

 

jQuery :visible 選択器

本文では、jQuery の :visible 選択器の使い方について詳しく解説します。この選択器を使用すると、ページ内で実際に表示されている要素を簡単に選択できるため、より的確な DOM 操作が可能になります。

概要

:visible 選択器は、jQuery で提供される要素選択用の擬似クラスセレクタの一つです。この選択器を使用すると、ページ内でユーザーの目に「見えている」状態にある要素のみを取得できます。要素の表示状態は、CSS の display プロパティや visibility プロパティの設定によって決まります。

:visible 選択器は、:hidden 選択器の対となる選択器です。:hidden 選択器は、非表示要素を選択する際に使用します。

構文

:visible 選択器の基本的な構文は以下の通りです。


$(":visible")

使用シーン

:visible 選択器は、以下のような様々なシーンで使用できます。

シーン1: 可視要素の数をカウントする

ページに存在する可視要素の数をカウントする場合は、以下のように記述します。


var visibleElementCount = $(":visible").length;
console.log("可視要素の数: " + visibleElementCount);

上記コードでは、$(":visible") でページ内の可視要素を全て取得し、その要素数を length プロパティで取得しています。取得した要素数はコンソールログに出力されます。

シーン2: 可視要素のスタイルを操作する

可視要素のスタイルを変更する場合は、以下のように記述します。


$(":visible").css("background-color", "yellow");

上記コードでは、$(":visible") で選択した可視要素に対して css() メソッドを適用し、背景色を黄色に変更しています。

シーン3: 他のセレクタと組み合わせて使用する

:visible 選択器は、他のセレクタと組み合わせて使用することで、より複雑な条件で要素を選択することができます。例えば、「class名が "target" で、かつ可視状態にある要素」を選択する場合は、以下のように記述します。


$(".target:visible").css("font-weight", "bold");

上記コードでは、クラスセレクタ .target と :visible 選択器を組み合わせることで、目的の要素を絞り込んでいます。

注意事項

  • :visible 選択器は、要素のスタイルや属性に基づいて可視状態を判断します。そのため、JavaScript などで動的に要素の表示状態を変更した場合、:visible 選択器の結果に反映されない場合があります。そのような場合は、show()hide() などの jQuery メソッドを使用して要素の表示状態を更新する必要があります。
  • display: nonevisibility: hidden などで非表示に設定されている要素は、:visible 選択器では選択されません。これらの要素は、:hidden 選択器を使用して選択できます。

まとめ

:visible 選択器を使用すると、ページ内で実際に表示されている要素のみを選択することができます。この選択器を活用することで、複雑な DOM 操作を簡潔に記述できるようになり、コードの可読性や保守性の向上に繋がります。

jQuery の公式ドキュメント (https://api.jquery.com/) も参照しながら、:visible 選択器を効果的に活用してください。

Q&A

Q1: :visible 選択器で iframe 内の要素を選択できますか?

A1: いいえ、:visible 選択器は現在のドキュメント内の要素のみを対象とします。iframe 内の要素を選択する場合は、iframe のコンテンツを取得してから選択操作を行う必要があります。

Q2: :visible 選択器は、アニメーション中の要素に対しても有効ですか?

A2: はい、:visible 選択器はアニメーション中かどうかは関係なく、要素の表示状態に基づいて選択を行います。ただし、アニメーションの途中で要素の表示状態が変化する場合は、:visible 選択器の結果も動的に変化します。

Q3: :visible 選択器を使用せずに、JavaScript のみで可視要素を判定することはできますか?

A3: はい、JavaScript の offsetWidthoffsetHeight プロパティ、もしくは getBoundingClientRect() メソッドを使用することで、要素の幅や高さを取得し、可視状態を判定することができます。