Ng generate Component (standalone) の使い方と手順
Angular CLI を使用してスタンドアロンコンポーネントを生成する方法
このガイドでは、Angular CLI の ng generate component
コマンドを使用してスタンドアロンコンポーネントを簡単に作成する方法を解説します。スタンドアロンコンポーネントは、特定のモジュールに依存せずに再利用できる強力な構成要素であり、アプリケーションの構造を簡素化するのに役立ちます。一般的な手順やオプション、およびその利点について詳しく説明します。
手順
スタンドアロンコンポーネントを作成するための基本的な手順は以下の通りです。
- Angular プロジェクトを作成または既存のプロジェクトを開きます。
- ターミナルを開き、以下のコマンドを実行します。
ng generate component component-name --standalone
- 生成されたコンポーネントが
src/app
フォルダーに追加されることを確認します。
コマンドの詳細
上記のコマンドには、以下のようなオプションを追加することができます。
オプション | 説明 |
---|---|
--inline-template |
テンプレートをインラインで作成します。 |
--inline-style |
スタイルをインラインで作成します。 |
--style |
使用するスタイルシートの言語を指定します(例: css, scss, sass, less)。 |
スタンドアロンコンポーネントとは
スタンドアロンコンポーネントは、@Component.standalone
フラグを true
に設定したコンポーネントのことです。これにより、通常のコンポーネントと異なる点がいくつかあります。スタンドアロンコンポーネントは、以下の特徴を持っています。
主な特徴
- 宣言の不要性: スタンドアロンコンポーネントは
@NgModule.declarations
プロパティで宣言する必要がありません。 - 依存関係の管理:
@Component.imports
プロパティでテンプレートの依存関係を管理できます。 - 相互インポート: 他のスタンドアロンコンポーネントや NgModule からインポート可能です。
コンパイルの仕組み
従来のコンポーネントでは、コンポーネントが自身のテンプレートをコンパイル可能かどうかは、宣言されている NgModule に依存します。しかし、スタンドアロンコンポーネントでは、テンプレートの依存関係を自身の @Component.imports
プロパティで管理するため、テンプレートのコンパイルがより直感的に行えます。
@Component({
selector: 'some-comp',
standalone: true,
template: `...`,
})
class SomeComp {}
@Component({
selector: 'my-app',
standalone: true,
imports: [SomeComp],
template: ` <some-comp></some-comp> `,
})
class AppComponent {}
仮想的な NgModule の理解
スタンドアロンコンポーネントは自身の依存関係を @Component.imports
プロパティで管理し、他のコンポーネントや NgModule からもインポート可能です。スタンドアロンコンポーネントは、仮想的な NgModule を含むと考えると理解しやすいでしょう。つまり、スタンドアロンコンポーネントはコンポーネントであると同時に、そのコンポーネントだけを宣言した NgModule としても機能します。
依存関係の管理例
以下のコードスニペットは、スタンドアロンコンポーネントがどのように依存関係を管理できるかを示しています。
@Component({
standalone: true,
imports: [CommonModule],
})
class CompA {}
@Component({
standalone: true,
imports: [CompA],
})
class CompB {}
@NgModule({
imports: [CompB],
})
class AppModule {}
スタンドアロンディレクティブ・パイプの定義
スタンドアロンコンポーネントと同様に、スタンドアロンディレクティブやパイプも定義できます。スタンドアロンディレクティブは @Directive.standalone
プロパティを使用して定義します。
スタンドアロンディレクティブの例
@Directive({
selector: '[some-dir]',
standalone: true,
})
class SomeDir {}
スタンドアロンパイプも同様に定義できます。
スタンドアロンパイプの例
@Pipe({
name: 'some-pipe',
standalone: true,
})
class SomePipe implements PipeTransform {
transform(value: any) {
return value;
}
}
実装例: リストコンポーネント
ここでは、スタンドアロンコンポーネントを使用した実装例として、リストコンポーネントを作成します。HTML 標準の <ul>
と <li>
タグのように、入れ子になった <app-list>
タグと <app-list-item>
タグを使用してリストを表現します。
HTML 構造
<app-list>
<app-list-item>
<span>Foo</span>
</app-list-item>
<app-list-item>
<span>Bar</span>
</app-list-item>
</app-list>
スタンドアロンコンポーネントの実装
@Component({
selector: 'app-list-item',
standalone: true,
template: `<ng-content></ng-content>`,
})
class ListItemComponent {}
@Component({
selector: 'app-list',
standalone: true,
template: `<ng-content select="app-list-item"></ng-content>`,
})
class ListComponent {}
使用例
これらのコンポーネントを使用する AppComponent
は、次のように実装します。
@Component({
selector: 'my-app',
standalone: true,
imports: [ListComponent, ListItemComponent],
template: `
<app-list>
<app-list-item>
<span>Foo</span>
</app-list-item>
<app-list-item>
<span>Bar</span>
</app-list-item>
</app-list>
`,
})
export class AppComponent {}
スタンドアロン宣言をまとめる方法
ListComponent
と ListItemComponent
は常にセットで使われるため、これらを直接インポートするのは手間です。スタンドアロン宣言をまとめるための2つの方法を紹介します。
1. スタンドアロン宣言を配列にまとめる
@Component.imports
に配列を渡すことができます。
const appList = [ListComponent, ListItemComponent] as const;
@Component({
selector: 'my-app',
standalone: true,
imports: [CommonModule, appList],
template: `...`,
})
export class AppComponent {}
2. NgModule を利用した再エクスポート
スタンドアロン宣言を再エクスポートする NgModule を作成することもできます。
@NgModule({
imports: [ListComponent, ListItemComponent],
exports: [ListComponent, ListItemComponent],
})
class ListModule {}
@Component({
selector: 'my-app',
standalone: true,
imports: [CommonModule, ListModule],
template: `...`,
})
export class AppComponent {}
スタンドアロンコンポーネントの利点
スタンドアロンコンポーネントには以下のような利点があります:
- 依存性が少なく、容易に再利用可能。
- アプリケーションの構造をシンプルに保てる。
- モジュール間の結合度を減らし、テストが容易になる。
参考文献
さらに学びたい方には以下のリンクをお勧めします:
よくある質問 (FAQ)
- 質問1: スタンドアロンコンポーネントとは何ですか?
- スタンドアロンコンポーネントは、特定のモジュールに依存せずに再利用可能で、独立して機能するコンポーネントです。
- 質問2: スタンドアロンコンポーネントを作成するメリットは何ですか?
- その利点にはモジュール間の結合度を減らし、依存性が少なくなることが含まれます。
- 質問3: どのようにスタンドアロンコンポーネントを生成できますか?
- Angular CLI の
ng generate component
コマンドを使用して、--standalone
オプションを追加することで生成します。
その他の参考記事:angular コンポーネント 追加