Angular HttpClient timeout

Angular HttpClientのタイムアウト設定方法

要約: 本記事では、Angular HttpClientでデフォルトのリクエストタイムアウトを設定し、特定のリクエストに対して個別のタイムアウトを適用する方法について解説します。

デフォルトのリクエストタイムアウトの設定

Angular HttpClientでは、HTTPリクエストに対するデフォルトのタイムアウトを設定することができます。これにより、指定された時間内に応答がなかった場合に、自動的にリクエストが中止され、エラーが発生します。

デフォルトのタイムアウトを設定するためには、以下のようにインターセプターを作成します。


import { Injectable } from '<@angular/core>';
import { HttpEvent, HttpInterceptor, HttpHandler, HttpRequest } from '<@angular/common/http>';
import { Observable } from 'rxjs';
import { timeout } from 'rxjs/operators';

@Injectable()
export class TimeoutInterceptor implements HttpInterceptor {
  intercept(req: HttpRequest<any>, next: HttpHandler): Observable<HttpEvent<any>> {
    return next.handle(req).pipe(timeout(5000)); // 5 秒のタイムアウト
  }
}

特定のリクエストに対するタイムアウトの適用

特定のHTTPリクエストに対して異なるタイムアウト値を設定する方法について説明します。これにより、状況に応じた柔軟なタイムアウト管理が可能となります。

特定のリクエストに対してタイムアウトを設定する場合、リクエストのオプションとしてタイムアウト値を指定します。


import { Injectable } from '<@angular/core>';
import { HttpClient, HttpHeaders } from '<@angular/common/http>';
import { Observable, race, timer } from 'rxjs';
import { takeUntil } from 'rxjs/operators';

@Injectable({
  providedIn: 'root'
})
export class ApiService {
  constructor(private http: HttpClient) {}

  getDataWithTimeout(url: string, timeoutMs: number): Observable<any> {
    const timeout$ = timer(timeoutMs);
    return race(this.http.get(url), timeout$).pipe(takeUntil(timeout$));
  }
}

まとめ

Angular HttpClientでリクエストタイムアウトを設定することは、アプリケーションのパフォーマンスとユーザーエクスペリエンスを向上させるために非常に重要です。デフォルトタイムアウトと特定のリクエストに対するタイムアウトを適切に設定することで、アプリケーションの信頼性を高めることができます。

タイプ 説明 コード例
デフォルトタイムアウト 全てのリクエストに適用されるタイムアウト timeout(5000)
特定リクエストタイムアウト 個別のリクエストのタイムアウト race(this.http.get(url), timer(timeoutMs))

Angularについて

Angularは、Googleが開発したフレームワークで、効率的にシングルページアプリケーション(SPA)を構築できる機能を提供します。その主なメリットは、コンポーネントベースの設計、双方向データバインディング、依存性注入、そしてテストのしやすさにあります。

Angular HttpClientの復習

まず、HttpClientを使用する際にデータ型を定義する方法について解説します。

データ型の定義


export interface User {
  id: number;
  name: string;
  email: string;
}
  

次に、サービスでデータ型を指定する方法です。また、レスポンス全体を取得するためには、observe: 'response'オプションを使用します。

サービスでのデータ取得


import { Injectable } from '@angular/core';
import { HttpClient, HttpResponse } from '@angular/common/http';
import { Observable } from 'rxjs';
import { User } from './user';

@Injectable({
  providedIn: 'root'
})
export class UserService {
  private apiUrl = 'https://api.example.com/users';

  constructor(private http: HttpClient) {}

  getUsers(): Observable<HttpResponse<User[]>> {
    return this.http.get<User[]>(this.apiUrl, { observe: 'response' });
  }
}
  

コンポーネントでのデータ取得

次に、コンポーネント側でサービスを呼び出し、subscribeメソッドでレスポンスを受け取る方法です。


import { Component, OnInit } from '@angular/core';
import { UserService } from './user.service';
import { HttpResponse } from '@angular/common/http';
import { User } from './user';

@Component({
  selector: 'app-user-list',
  templateUrl: './user-list.component.html'
})
export class UserListComponent implements OnInit {
  users: User[] = [];

  constructor(private userService: UserService) {}

  ngOnInit(): void {
    this.userService.getUsers().subscribe((response: HttpResponse<User[]>) => {
      this.users = response.body || [];
    });
  }
}
  

テンプレートでのデータバインド

テンプレートでのデータバインドは次のように行います。

<ul>
  <li *ngFor="let user of users">
    {{ user.name }} ({{ user.email }})
  </li>
</ul>

Angular HttpClientのエラーハンドリング

これまでのエラーハンドリング方法には、一般的にHTTPリクエストごとにcatchErrorを使用していましたが、これには可読性や再利用性の問題がありました。

公式ドキュメントでの提案

公式ドキュメントでは、共通のエラーハンドリングをサービスで定義する方法が推奨されています。例えば、通信エラーとアプリケーションエラーの2種類のエラーが発生する可能性があります。

通信エラー

通信エラー(ネットワークの問題、サーバーダウンなど)は、ユーザーに再試行を促すメッセージを表示するのが一般的です。

アプリケーションエラー

一方、アプリケーションエラー(無効な入力、リソースが見つからないなど)は、ユーザーに具体的な修正アクションを促すメッセージを表示します。

Serviceでのエラーハンドリング

サービス内でのエラーハンドリングは、以下のように定義します。

handleError関数の実装


import { Injectable } from '@angular/core';
import { HttpClient, HttpErrorResponse } from '@angular/common/http';
import { catchError } from 'rxjs/operators';
import { throwError, Observable } from 'rxjs';

@Injectable({
  providedIn: 'root'
})
export class DataService {
  private apiUrl = 'https://api.example.com/data';

  constructor(private http: HttpClient) {}

  getData(): Observable {
    return this.http.get(this.apiUrl).pipe(
      catchError(this.handleError)
    );
  }

  private handleError(error: HttpErrorResponse) {
    if (error.error instanceof ErrorEvent) {
      // クライアント側のエラー
      console.error('クライアント側のエラー:', error.error.message);
    } else {
      // サーバー側のエラー
      console.error(`サーバーエラー (ステータスコード: ${error.status})`, error.error);
    }
    return throwError('何か問題が発生しました。後でもう一度お試しください。');
  }
}
  

誤ったURLへのアクセス

誤ったURLにアクセスした場合、サービスはエラーをキャッチし、定義したエラーメッセージが表示されます。

Timeout処理とRetry処理

リクエストが遅延した場合のタイムアウト処理や、通信失敗時の再試行処理を実装するには、timeoutretryオペレーターを使用します。


import { Injectable } from '@angular/core';
import { HttpClient } from '@angular/common/http';
import { catchError, retry, timeout } from 'rxjs/operators';
import { throwError, Observable } from 'rxjs';

@Injectable({
  providedIn: 'root'
})
export class DataService {
  private apiUrl = 'https://api.example.com/data';

  constructor(private http: HttpClient) {}

  getData(): Observable {
    return this.http.get(this.apiUrl).pipe(
      timeout(5000), // 5秒のタイムアウト設定
      retry(3), // 最大3回の再試行
      catchError(this.handleError)
    );
  }
  
  private handleError(error: any) {
    return throwError('エラーが発生しました。');
  }
}
  

参考文献

Angular公式ドキュメント - https://angular.io/guide/http

QAセクション

Q1: Angular HttpClientのデフォルトタイムアウトはどのように設定しますか?

A1: インターセプターを作成し、timeout演算子を使用してデフォルトのタイムアウトを設定します。

Q2: 特定のリクエストに異なるタイムアウトを設定するにはどうすればよいですか?

A2: race演算子とtimerを使用して、特定のリクエストのタイムアウトを設定します。

Q3: タイムアウトが発生した場合、どのようにエラーハンドリングを行いますか?

A3: catchError演算子を使用してエラーをキャッチし、適切な処理を行います。

その他の参考記事:angular httpclient