@angular/http 非推奨

@angular/http 非推奨:代替手段と移行ガイド

概要

この記事では、@angular/http が非推奨となった理由と、その影響を受ける開発者のための代替手段について詳しく解説します。新しい HTTP クライアントへの移行方法や、利点についても触れながら、Angular アプリケーションのメンテナンス性を向上させるための具体的なステップを提供します。

@angular/httpの非推奨理由と影響

Angular チームは @angular/http を非推奨にした背景と、これが開発者やプロジェクトに与える影響について説明します。その目的は、モジュールの簡素化と、より高機能な HTTP クライアントへの移行を促すことです。

理由 影響
モジュールの重複と複雑性 開発者が新しい API に適応する必要がある
機能の欠如 開発の効率が低下する可能性がある
サポートの終了 セキュリティのリスクが増大する

新しいHTTPクライアントへの移行方法

新しい @angular/common/http モジュールへの移行手順を具体的に説明します。これには、既存のコードの更新方法や、新しい機能を活用するためのベストプラクティスが含まれています。

移行手順

  1. プロジェクトに @angular/common/http パッケージを追加します。
  2. コード内で @angular/http のインポートを @angular/common/http に変更します。
  3. HTTP リクエストに関する既存のコードを新しい API に合わせて更新します。

コード例

以下は、@angular/http から @angular/common/http への移行の一例です。


import { HttpClient } from '<span class="hljs-string">@angular/common/http</span>';
import { Injectable } from '<span class="hljs-string">@angular/core</span>';
import { Observable } from '<span class="hljs-string">rxjs/Observable</span>';

@Injectable({
  providedIn: '<span class="hljs-string">root</span>'
})
export class ApiService {
  constructor(private http: HttpClient) { }

  getData(): Observable<any> {
    return this.http.get('<span class="hljs-string">https://api.example.com/data</span>');
  }
}

Before

Angular4.3以下から5にアップデートする際に、Httpモジュールの変更が必要です。@angular/httpが非推奨になり、@angular/common/httpが推奨されるように変更されました。この変更により、より簡潔で機能的なコードを書くことが可能になります。

Angular4.3以下では、@angular/httpを使用してHTTPリクエストを送信していました。以下はそのコード例です。


import { Http, Response, Headers, RequestOptions } from '@angular/http';
import { Observable } from 'rxjs';
import 'rxjs/add/operator/map';

export class DataService {
  private apiUrl = 'https://api.example.com/data';

  constructor(private http: Http) {}

  getData(): Observable {
    let headers = new Headers({ 'Content-Type': 'application/json' });
    let options = new RequestOptions({ headers: headers });
    
    return this.http.get(this.apiUrl, options)
      .map((response: Response) => response.json());
  }
}
  

上記の例では、@angular/httpモジュールのHttpクラスを使用し、HeadersRequestOptionsを用いてリクエストを設定していました。

After

Angular5以降では、@angular/common/httpが推奨されています。こちらは、より簡潔にHTTPリクエストを行うことができます。

Angular5でのHTTPリクエストの例


import { HttpClient } from '@angular/common/http';
import { Observable } from 'rxjs';

export class DataService {
  private apiUrl = 'https://api.example.com/data';

  constructor(private http: HttpClient) {}

  getData(): Observable {
    return this.http.get(this.apiUrl);
  }
}
  

このコードでは、HttpClientを使用して、ヘッダーやオプションの設定をより簡単に行っています。.map()の代わりに、レスポンスは自動的にJSON形式で返されます。

HttpInterceptorを使ったヘッダー設定の例

HttpInterceptorを使用することで、リクエストごとに共通のヘッダーを自動的に追加することができます。


import { Injectable } from '@angular/core';
import { HttpInterceptor, HttpRequest, HttpHandler, HttpEvent } from '@angular/common/http';
import { Observable } from 'rxjs';

@Injectable()
export class AuthInterceptor implements HttpInterceptor {

  intercept(req: HttpRequest, next: HttpHandler): Observable<HttpEvent> {
    const clonedReq = req.clone({
      headers: req.headers.set('Authorization', 'Bearer token')
    });
    return next.handle(clonedReq);
  }
}
  

この例では、HttpInterceptorを用いて、全てのリクエストに自動的にAuthorizationヘッダーが追加されます。

違いはなんなん

Angular4.3以下とAngular5での主な変更点を以下に解説します。

ヘッダーのオプション設定方法が変更

以前はHeadersRequestOptionsを使用してリクエストのオプションを設定していましたが、Angular5ではHttpInterceptorを使用して、共通のヘッダーを設定する方法に変更されました。これにより、コードがよりシンプルで再利用可能になっています。

レスポンスの型指定ができるように

Angular5のHttpClientでは、リクエスト時にレスポンスの型を指定することができるようになり、型安全性が向上しています。これにより、開発中のエラー検出が容易になり、コードの品質が向上します。


export interface User {
  id: number;
  name: string;
  email: string;
}

getUsers(): Observable<User[]> {
  return this.http.get<User[]>(this.apiUrl);
}
  

この例では、レスポンスの型としてUser[]を指定しています。これにより、レスポンスが期待する型と一致しているかどうかをコンパイル時にチェックでき、型安全性が向上しています。

まとめ

@angular/http の非推奨は、Angular アプリケーションのメンテナンスと開発をより効率的にするためのステップです。新しい @angular/common/http モジュールの機能を活用し、アプリケーションの品質を向上させましょう。

関連QA

Q1: @angular/common/http はどのような利点がありますか?

A1: @angular/common/http は、モダンなAPIと追加機能(インターセプター、リクエストの取り消し、HTTPヘッダーの設定など)を提供します。

Q2: 移行にはどれくらいの時間がかかりますか?

A2: 移行の時間はアプリケーションの規模によりますが、小さなアプリケーションであれば数時間、大きなアプリケーションでは数日かかることがあります。

Q3: 移行後に問題が発生した場合どうすれば良いですか?

A3: ドキュメントを参照して新しい API の使い方を確認し、開発者コミュニティで問題を共有することが推奨されます。

その他の参考記事:angular httpclient