AngularJS Angular 違い

AngularJSとAngularの違い

AngularJSとAngularは、名前こそ似ていますが、バージョンの違いだけではなく、根本的な設計思想や技術基盤が異なる2つのフレームワークです。それぞれの特徴や違いを理解することで、適切なフレームワークを選択できるようになります。

1. JavaScriptベース vs. TypeScriptベース

最も大きな違いは、AngularJSがJavaScriptをベースとしているのに対し、AngularはTypeScriptをベースとしている点です。

  • AngularJS: ECMAScript 5 (ES5)に基づいた純粋なJavaScriptフレームワークです。開発者はJavaScriptでコードを記述し、プロジェクトを進めます。
  • Angular: TypeScriptというJavaScriptのスーパーセットを採用しており、静的型付けやより高度な機能を提供します。これにより、大規模アプリケーションの開発がしやすくなっています。

2. 互換性の違い

AngularJSとAngularの間には互換性がありません。これは、2つのフレームワークの内部アーキテクチャが大きく異なるためです。AngularJSのプロジェクトをAngularにアップグレードする際には、多くのコードを書き直す必要があります。

  • AngularJS: コントローラーとスコープを中心とした従来のMVCアーキテクチャを採用しています。
  • Angular: コンポーネントベースのアーキテクチャを採用しており、再利用性の高いUIコンポーネントを効率的に作成できるようになっています。

3. パフォーマンスの向上

Angularは、AngularJSと比べてパフォーマンスが大幅に向上しています。これには、以下の理由があります。

  • レンダリング速度: Angularは仮想DOMや効率的なデータバインディングメカニズムを採用しており、ブラウザでのレンダリングが高速化されています。
  • バンドルサイズの最適化: Angularはプロダクションビルド時に不要なコードを削除する「ツリ―シェイキング」機能を持ち、より軽量なバンドルが生成されます。

4. ツールとエコシステムの違い

Angularは、開発体験を向上させるための多くのツールを提供しています。

  • Angular CLI: Angularには公式のCLI(コマンドラインインターフェース)が用意されており、開発者はコマンドを使用して簡単にプロジェクトのセットアップやビルドが行えます。
  • テストとデバッグ: Angularは標準でユニットテストやエンドツーエンドテストをサポートしており、信頼性の高いコードを書けるように設計されています。

一方、AngularJSはこれらのツールが標準装備されていないため、外部ツールを使用する必要があります。

5. 将来的なサポート

GoogleはAngularJSの長期サポート(LTS)を終了し、今後はAngularに注力することを発表しています。これにより、AngularJSのプロジェクトは脆弱性のリスクが増えるため、今後のプロジェクトにはAngularの使用が推奨されています。

6. Angularの難易度は?

Angularは他のフレームワークに比べて学習の難易度が高いとされています。Angularは非常に豊富な機能を備えており、アプリケーション開発に必要な多くの機能を網羅しています。そのため、効果的に利用するためには、HTML、CSS、JavaScriptのスキルに加え、TypeScriptというJavaScriptの拡張言語を習得する必要があります。

さらに、AngularはRxJSというデータ通信に特徴のあるライブラリを使用しています。通常の通信はクライアントのリクエストに対してサーバーがデータを返すという形ですが、RxJSを使うことで、クライアントからのリクエストがなくてもサーバーからデータを送信することが可能です。この機能性は便利ですが、その設計や取り扱いに慣れるまでには時間がかかることもあります。

7. Angularのメリットは?

Angularは学習のハードルが高い一方で、非常に多くのメリットを提供しています。まず、Angularは豊富な機能を持っており、単体でアプリケーション開発を完結させることができます。Webアプリケーションのフロントエンドに関しては、フルスタックで開発が可能です。

次に、AngularはMVC(Model-View-Controller)設計を採用しているため、アプリケーションの構築が非常に整理しやすいです。MVC設計では、各要素を独立して開発できるため、保守や拡張がしやすくなります。

さらに、データバインディング機能もAngularの大きな特徴です。この機能により、データと画面の表示を自動的に同期させることができ、ソースコードや画面のいずれかを修正すると、もう一方にも即座に反映されます。これにより、コードの量を削減でき、効率的な開発が可能となります。

8. Angularの読み方は?

Angularの正しい読み方は「アンギュラー」です。

9. Angularの説明は?

AngularはGoogleが開発したJavaScriptフレームワークで、主にWebアプリケーションのフロントエンド開発に使用されます。Angularは元々のAngularJSの後継として誕生し、TypeScriptをベースに設計されています。これにより、JavaScriptに比べて型安全性が向上し、エラーの発生率が低減されています。

10. Angularの開発会社は?

Angularは多くのシステム開発会社で使用されています。Webシステムの開発だけでなく、企業の独自業務システムにおいても、フロントエンド部分の開発に活用されています。フロントエンドをフルスタックでカバーできることが、Angularの強みです。

11. Angular 何ができる?

Angularはフロントエンドの全般的な開発をカバーすることができます。単体でアプリケーション開発を完結させることができ、MVC設計により設計がしやすく、データバインディングによってコードの修正が簡単に行えます。また、強力な機能を持つため、さまざまな規模のWebアプリケーション開発に適しています。

12. Angular / AngularJSの違いは?

Angularは、AngularJSの後継フレームワークです。AngularJSはJavaScriptベースのフレームワークで、2009年にリリースされましたが、AngularはTypeScriptベースに移行し、全体の設計や機能が大きく進化しています。特に、両者には互換性がないため、AngularJSを使っていた開発者でも、新たにAngularの学習が必要となります。

13. AngularJSのサポート期間は?

AngularJSのサポートはすでに終了しています。加えて、Angularバージョン2からバージョン12もサポートが終了しています。現在、Angular v15は2024年5月までLTS(Long-Term Support)が提供されています。

14. Angularのバージョンアップ頻度は?

Angularのバージョンアップは不定期に行われます。場合によっては、数ヶ月の間隔を空けて更新されることもありますが、短期間でアップデートされるケースもあります。常に最新のバージョンに追随するためには、定期的なチェックが必要です。

15. AngularJSの歴史は?

AngularJSは2009年にGoogleによってリリースされ、最初のバージョン1.0は2012年に公開されました。その後、2016年にバージョン2.0がリリースされ、ここからAngularJSはAngularへと移行しました。Angularはそれ以降も複数回バージョンアップが行われ、現在も進化を続けています。

結論

AngularJSとAngularは、名前こそ似ていますが、異なるフレームワークです。AngularJSはJavaScriptをベースにし、従来のMVCアーキテクチャを採用しているのに対し、AngularはTypeScriptをベースにしたコンポーネントベースのアーキテクチャを持ち、パフォーマンスやツールの面で優れています。今後のプロジェクトでは、将来性のあるAngularへの移行が推奨されます。

その他の参考記事:angularjs npm tutorial