JavaScriptの構文でセミコロンは付けなくてもいいの?

 

JavaScriptにおけるセミコロンの必要性

JavaScriptの構文では、文末のセミコロンは付けても付けなくてもよいことになっています。 ここで注意したいのは、セミコロンは“省略可能”ではなく、「セミコロンが見付からない場合は、自動的に挿入される」という点です。

セミコロンの自動挿入とは?

JavaScriptエンジンは、コードを実行する前に、構文解析という処理を行います。この構文解析の段階で、セミコロンがない箇所でも、文の区切りと判断できる場所があれば、自動的にセミコロンが挿入されます。これを「ASI (Automatic Semicolon Insertion)」と呼びます。

セミコロンを省略することのメリット・デメリット

メリット

  • コードの記述量が減り、簡潔になる
  • 他のC系言語と同様の記述スタイルにできる

デメリット

  • ASIの動作は複雑で、場合によっては意図しない動作を引き起こす可能性がある
  • 可読性が低下する可能性がある
  • セミコロンを省略するスタイルと省略しないスタイルが混在すると、コードの整合性が取れなくなる

セミコロンを省略すべきケース、省略すべきでないケース

一般的に、セミコロンは省略しない方が無難とされています。しかし、以下のようなケースでは、セミコロンを省略することでコードが簡潔になり、可読性が向上する場合もあります。

セミコロンを省略しても問題ないケース

  • 一行に一つの文のみを記述する場合
  • for文、if文、while文などの制御構文の条件式

セミコロンを省略すべきでないケース

  • 複数行にわたる文
  • 関数式
  • オブジェクトリテラル
  • 配列リテラル

コード例

以下のコードは、セミコロンを省略した場合と省略しない場合の例です。

セミコロンあり セミコロンなし

// 変数宣言
let message = "Hello, world!";

// メッセージの表示
console.log(message);
        

// 変数宣言
let message = "Hello, world!"

// メッセージの表示
console.log(message)
        

まとめ

JavaScriptにおけるセミコロンの必要性については、様々な意見があります。重要なのは、ASIの動作を正しく理解し、コードの可読性や保守性を考慮した上で、自分にとって最適なスタイルを選択することです。

参考文献

関連QA

Q1. セミコロンを省略した場合、どのような問題が発生する可能性がありますか?

A1. ASIの動作は複雑で、場合によっては意図しない動作を引き起こす可能性があります。例えば、行末にセミコロンがない場合、JavaScriptエンジンは次の行の先頭が識別子、数値リテラル、文字列リテラル、または特定の演算子のいずれかである場合、前の行の末尾にセミコロンを自動的に挿入します。しかし、この動作は必ずしも期待通りに機能するとは限りません。特に、return文、関数式、オブジェクトリテラル、配列リテラルなどを記述する際には注意が必要です。

Q2. チーム開発では、セミコロンを統一した方がよいですか?

A2. はい、チーム開発では、セミコロンの有無を統一した方が、コードの整合性が保たれ、可読性や保守性が向上します。コーディング規約を策定し、セミコロンの扱いを明確に定義しておくことをおすすめします。

Q3. JavaScriptの将来、セミコロンは必須になる可能性はありますか?

A3. 現時点では、JavaScriptの将来のバージョンでセミコロンが必須になるという明確な計画はありません。しかし、JavaScriptの進化に伴い、将来的には構文が変更される可能性もゼロではありません。最新の情報を常に確認することが重要です。

その他の参考記事:JavaScript ステートメント