HTMLの継承者:XHTMLとその未来
HTMLの進化とXHTMLの登場
ウェブサイトを記述する言語として広く普及しているHTML。その歴史は長く、バージョンアップを重ねるごとに複雑化してきました。そこで登場したのが、HTMLの文法をより厳格化し、XMLに準拠させたXHTML (Extensible HyperText Markup Language) です。
HTMLとXHTML:その違い
HTMLは、SGML(Standard Generalized Markup Language)に基づいて書かれた実装の1つです。一方、XHTMLは、バージョンアップごとに複雑多様化するHTMLを、XMLに基づいて書き直した実装の1つで、HTMLの後継仕様となります。
特徴 | HTML | XHTML |
---|---|---|
ベースとなる言語 | SGML | XML |
文法の厳密さ | 緩やか(多少の記述ミスは許容される) | 厳格(記述ミスは許容されない) |
大文字・小文字の区別 | 区別しない | 区別する |
終了タグの省略 | 可能 | 不可 |
<!-- HTMLの例 -->
<p>これは段落です。</p>
<br>
<!-- XHTMLの例 -->
<p>これは段落です。</p>
<br />
上記の例では、XHTMLでは終了タグの省略が許されず、<br>
タグは <br />
のように記述する必要があることがわかります。
XHTMLのメリット
XHTMLは、HTMLに比べて以下のようなメリットがあります。
- 厳格な文法: XMLに準拠しているため、記述ミスが少なくなり、より正確なマークアップが可能になります。
- 将来性: XMLベースであるため、将来的な拡張性が高く、新しい技術への対応も容易です。
- アクセシビリティ: 正しいマークアップを行うことで、様々なデバイスやソフトウェアでアクセスしやすいウェブサイトを実現できます。
HTML5の台頭とXHTMLの現在
近年では、HTML5の登場により、HTML自体も進化を遂げています。HTML5は、従来のHTMLの文法の曖昧さを解消し、よりセマンティックなマークアップを可能にするなど、多くの改善が加えられています。
そのため、現在ではXHTMLよりもHTML5が主流となりつつあります。しかし、XHTMLの厳格な文法やXMLベースの構造は、依然として有効な点も多く、特定の用途ではXHTMLが選択されることもあります。
HTMLとXHTMLに関するQ&A
Q1: XHTMLはHTMLと互換性がありますか?
A1: XHTML 1.0まではHTMLとの互換性を重視していましたが、XHTML 1.1以降は互換性がなくなりました。ただし、HTML5ではXHTMLの文法を取り入れることで、より厳密なマークアップが可能になっています。
Q2: XHTMLを使うべきケースは?
A2: 現在ではHTML5が主流ですが、XMLベースの厳密なマークアップが必要な場合や、将来的な拡張性を見据えている場合にはXHTMLが有効な選択肢となります。
Q3: 今後、XHTMLは使われなくなるのでしょうか?
A3: HTML5の普及により、XHTMLが使われる機会は減少していく可能性があります。しかし、XMLベースのマークアップ言語としての価値は残り続けるため、特定の分野では今後も利用され続けると考えられます。