CSSプロパティnav-down:ナビゲーションの下方向のロジックを制御する
nav-down
プロパティは、CSS Logical Properties and Values Level 1 仕様の一部であり、テレビのリモコンなど、空間ナビゲーションを使用する場合に、現在の要素の「下」の要素と見なされる要素を指定するために使用されます。
1. 構文と値
プロパティ | 値 | 説明 |
---|---|---|
nav-down |
auto | id | element | length | initial | inherit |
|
auto |
デフォルト値。ブラウザがどの要素が「下」の要素かを決定します。 | |
id |
「下」の要素として、指定されたIDを持つ要素を選択します。 | |
element |
「下」の要素として、指定された要素セレクターに一致する要素を選択します。 | |
length |
ナビゲーションの方向を制御する長さを指定します。正の値は下方向、負の値は上方向を示します。 | |
initial |
プロパティをデフォルト値に設定します。 | |
inherit |
親要素からプロパティ値を継承します。 |
2. 使用シーン
nav-down
プロパティは、主にキーボードやリモコンを使用してWebページをナビゲートする際のユーザーエクスペリエンスを向上させるために使用されます。たとえば、テレビアプリケーション、ゲームインターフェース、または空間ナビゲーションを必要とするその他のシナリオを構築する場合、開発者はこのプロパティを使用してナビゲーションの順序を正確に制御し、ナビゲーションをより論理的で直感的にすることができます。
従来のキーボード操作では、タブキーを使用して要素間を順番に移動しますが、リモコン操作では上下左右の方向キーを用いることが一般的です。 nav-down
プロパティを使用することで、リモコン操作に適したナビゲーションを実現できます。
3. コード例
以下のコード例は、nav-down
プロパティを使用してナビゲーションの方向を制御する方法を示しています。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<style>
.container {
display: grid;
grid-template-columns: auto auto;
gap: 10px;
}
.item:focus {
outline: 2px solid blue;
}
#item2 {
nav-down: #item3;
}
#item3 {
nav-down: #item1;
}
</style>
</head>
<body>
<div class="container">
<div class="item" id="item1">アイテム 1</div>
<div class="item" id="item2">アイテム 2</div>
<div class="item" id="item3">アイテム 3</div>
</div>
</body>
</html>
解説:
- コードは3つのdiv要素を定義し、グリッドレイアウトを使用して配置しています。
#item2
のnav-down
プロパティは#item3
に設定されており、#item2
がフォーカスを取得し、「下」キーが押されると、フォーカスは#item3
に移動します。#item3
のnav-down
プロパティは#item1
に設定されており、循環ナビゲーションを作成しています。
4. 注意点
nav-down
プロパティは、他の論理プロパティ (nav-right
、nav-left
、nav-up
など) と組み合わせて使用すると、より複雑なナビゲーション制御を実現できます。- 一部のブラウザでは、CSS Logical Properties が完全にサポートされていない場合があります。使用の際は互換性に注意してください。caniuse.comなどのウェブサイトで、各プロパティのブラウザサポート状況を確認することができます。
5. 参考文献
6. よくある質問
Q1. nav-down
プロパティは、通常のWebページでも使用できますか?
A1. はい、使用できます。ただし、通常のWebページでは、キーボードの矢印キーによるナビゲーションは一般的ではないため、ユーザーが混乱する可能性があります。使用する場合は、ユーザーに明確に伝えるようにしてください。
Q2. nav-down
プロパティとJavaScriptを組み合わせて使用することはできますか?
A2. はい、可能です。JavaScriptを使用して、動的に nav-down
プロパティの値を変更することができます。これにより、より複雑なナビゲーションロジックを実装することができます。
Q3. nav-down
プロパティがサポートされていないブラウザではどうなりますか?
A3. nav-down
プロパティがサポートされていないブラウザでは、このプロパティは無視されます。そのため、古いブラウザでも問題なく動作しますが、空間ナビゲーションは機能しません。古いブラウザもサポートする必要がある場合は、JavaScriptなどを使用して代替手段を提供する必要があります。