JavaScript 標準とは?
JavaScriptは、Webページにインタラクティブ性や動的な機能を追加するために広く使用されているプログラミング言語です。その進化に伴い、さまざまなブラウザ間での互換性や一貫性を確保するために、標準規格が策定されてきました。
ECMAScript: JavaScript のコア
JavaScriptの基礎となる標準は、ECMA(European Computer Manufacturers Association)によって策定されたECMAScriptです。ECMAScriptは、JavaScriptの構文、データ型、演算子、オブジェクトなどを定義しています。JavaScriptエンジンは、このECMAScript標準に基づいて実装されています。
ECMAScriptのバージョン
ECMAScriptは、定期的に更新され、新しいバージョンがリリースされています。主なバージョンとその特徴は以下の通りです。
バージョン | リリース年 | 特徴 |
---|---|---|
ECMAScript 1 | 1997 | 最初のバージョン |
ECMAScript 3 | 1999 | 正規表現、例外処理などの追加 |
ECMAScript 5 | 2009 | strict モード、JSONサポートなどの追加 |
ECMAScript 6 (ES6) | 2015 | アロー関数、クラス構文、let/constなど、多くの新機能が追加 |
ECMAScript 2016, 2017, ... | - | 毎年新機能が追加 |
現在、ほとんどのモダンブラウザは、ECMAScript 5以降のバージョンをサポートしています。
DOM (Document Object Model)
DOMはW3C(World Wide Web Consortium)の標準規格で、「プログラムやスクリプトがドキュメントのコンテンツ、構造、スタイルに動的にアクセスし、更新することを可能にする、プラットフォームや言語に依存しないインターフェース」と定義されています。簡単に言うと、DOMはHTMLやXML文書をツリー構造として表現し、JavaScriptがそのツリー構造にアクセスして操作できるようにします。
DOM操作の例
例えば、以下のようなHTMLがあるとします。
<h2 id="title">タイトル</h2>
JavaScriptを使って、この<h2>
要素のテキストコンテンツを変更するには、次のように記述します。
// IDが"title"の要素を取得
const titleElement = document.getElementById('title');
// テキストコンテンツを変更
titleElement.textContent = '新しいタイトル';
このように、DOMを利用することで、JavaScriptはHTML文書を動的に変更することができます。
ブラウザの互換性
JavaScript標準は存在しますが、すべてのブラウザがすべての機能を完全にサポートしているわけではありません。特に、古いブラウザは、新しいECMAScriptの機能やDOM APIをサポートしていない場合があります。そのため、JavaScriptでWebページを開発する際には、ターゲットとするブラウザの互換性を考慮する必要があります。caniuse.com などのウェブサイトで、各ブラウザがどの機能をサポートしているかを確認することができます。
Q&A
Q1. JavaScriptで最新のECMAScriptの機能を使うにはどうすれば良いですか?
A1. 最新のECMAScriptの機能を使うには、Babelなどのトランスパイラを使用して、古いブラウザでも動作するJavaScriptコードに変換する必要があります。
Q2. DOM操作でパフォーマンスを向上させるにはどうすれば良いですか?
A2. DOM操作は、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。DOM操作を最小限に抑えたり、requestAnimationFrame
などのAPIを使って描画処理を最適化することで、パフォーマンスを向上させることができます。
Q3. JavaScript標準についてもっと詳しく学ぶにはどうすれば良いですか?
A3. ECMAScriptの公式仕様書や、Mozilla Developer Network (MDN)などのウェブサイトで、JavaScript標準について詳しく学ぶことができます。
その他の参考記事:JavaScriptコードの仕様