JavaのString型とは?
Javaにおいて、文字列を扱う際に欠かせないのが String型 です。String型は、文字の並びを表現するためのクラスであり、文字列の結合や分割、検索など、様々な操作を提供します。本稿では、JavaのString型について、その特徴や基本的な使い方、そして実際の活用例を通じて解説していきます。
1. String型の基礎知識
JavaのString型は、不変(immutable)オブジェクトです。一度作成されたStringオブジェクトの内容は変更することができず、新しい文字列を生成する操作は、常に新しいStringオブジェクトを生成します。
String str1 = "Hello";
str1 = str1 + " World!"; // 新しいStringオブジェクト("Hello World!")が生成される
1.1. 文字列の宣言と初期化
String型の変数を宣言し、文字列リテラルを使って初期化する方法を見てみましょう。
String message = "こんにちは、世界!";
上記のように、ダブルクォーテーション(")で囲まれた文字列は、文字列リテラルと呼ばれ、Stringオブジェクトとして扱われます。
1.2. 文字列連結
文字列連結には、「+」演算子を使用します。
String str1 = "Java";
String str2 = "Programming";
String str3 = str1 + " " + str2;
System.out.println(str3); // 出力結果: Java Programming
1.3. 文字列の長さ
文字列の長さを取得するには、length()
メソッドを使用します。
String str = "Hello";
int len = str.length();
System.out.println(len); // 出力結果: 5
2. Stringクラスの主要なメソッド
Stringクラスには、文字列操作に便利なメソッドが多数用意されています。ここでは、その中でも特に重要なメソッドをいくつかご紹介します。
メソッド名 | 説明 | 使用例 |
---|---|---|
charAt(int index) | 指定されたインデックス位置にある文字を返します。 | "Hello".charAt(1); // 'e' |
substring(int beginIndex) | 指定されたインデックス位置から文字列の終わりまでを新しい文字列として返します。 | "Hello".substring(2); // "llo" |
substring(int beginIndex, int endIndex) | 指定された開始インデックス位置から終了インデックス位置-1までを新しい文字列として返します。 | "Hello".substring(1, 4); // "ell" |
indexOf(String str) | 指定された部分文字列が最初に現れるインデックス位置を返します。見つからない場合は-1を返します。 | "Hello World".indexOf("World"); // 6 |
contains(CharSequence s) | 指定された文字列が含まれているかどうかを判定します。 | "Hello World".contains("World"); // true |
3. String型の活用例
String型は、様々な場面で活用されます。ここでは、具体的な活用例を2つご紹介します。
3.1. HTML出力
Webアプリケーション開発では、HTMLを動的に生成する場面があります。String型と連結機能を使えば、容易にHTMLを出力できます。
<h2>ユーザー情報</h2>
<table>
<tr><th>名前</th><td>"+ userName + "</td></tr>
<tr><th>メールアドレス</th><td>" + email + "</td></tr>
</table>
3.2. データ整形
CSVファイルの読み込みなど、外部データの整形にもString型は役立ちます。
String data = "1,田中太郎,営業部";
String[] values = data.split(",");
System.out.println("ID: " + values[0]); // 出力結果: ID: 1
System.out.println("名前: " + values[1]); // 出力結果: 名前: 田中太郎
System.out.println("部署: " + values[2]); // 出力結果: 部署: 営業部
4. 参考文献
Q&A
Q1: String型は可変ですか?
A1: いいえ、String型は不変です。一度作成されたStringオブジェクトの内容は変更できません。
Q2: String型の変数にnullを代入することはできますか?
A2: はい、可能です。String型の変数は参照型変数であるため、nullを代入することができます。
Q3: 文字列の比較には「==」演算子と「equals()」メソッドがありますが、違いは何ですか?
A3: 「==」演算子は、オブジェクトの参照先が等しいかどうかを比較します。一方、「equals()」メソッドは、オブジェクトの内容が等しいかどうかを比較します。文字列の内容を比較する場合は、「equals()」メソッドを使用する必要があります。
まとめ
JavaのString型は、文字列処理の基礎となる重要なクラスです。Stringクラスの様々なメソッドを活用することで、効率的かつ簡潔に文字列操作を行うことができます。
その他の参考記事:JavaScriptのデータ型