DOM(Discrete Ordinates Method)とは?
DOM(Discrete Ordinates Method)は、輻射解析機能で用いられる機能の一つです。これは、放射強度の輸送方程式を解くモデルであり、「離散座標法」とも呼ばれます。DOMは、空間をセルと呼ばれる小さな要素に分割し、各セル内での放射強度を計算します。
DOMの原理
DOMでは、各セル界面の中心に形成される立体角を離散化し、離散化された球面の中心を通過する方位ベクトル(Ordinate)について放射強度を計算します。つまり、放射強度を特定の方向のみに限定して計算することで、計算負荷を大幅に削減できます。
<!-- 例:セルの定義 -->
<cell>
<vertices>
<vertex>0.0 0.0 0.0</vertex>
<vertex>1.0 0.0 0.0</vertex>
<vertex>1.0 1.0 0.0</vertex>
<vertex>0.0 1.0 0.0</vertex>
</vertices>
</cell>
DOMの特徴
DOMは以下の特徴を持ちます。
長所 | 短所 |
---|---|
|
|
DOMの用途
DOM(Discrete Ordinates Method)は、様々な分野で広く利用されています。以下に代表的な利用分野を示します。
- 熱流体解析
- 照明設計
- 環境シミュレーション
- 原子力工学
参考文献
- Modest, M. F. (2013). Radiative heat transfer. Academic press.
よくある質問
Q1: DOMとモンテカルロ法の違いは何ですか?
A1: モンテカルロ法は、ランダムな方向に多数の光線を追跡することで放射伝熱を計算する方法です。DOMは、特定の方向のみに限定して放射強度を計算します。モンテカルロ法は計算コストが高いですが、複雑な形状や散乱の強い媒体に適しています。DOMは計算コストが低いですが、レイ効果が発生する可能性があります。
Q2: レイ効果とは何ですか?
A2: レイ効果とは、DOMにおいて放射強度を特定の方向のみに限定して計算することによって発生する数値的な誤差です。レイ効果は、放射強度が急激に変化する領域で顕著に現れます。
Q3: DOMの計算精度を向上させるにはどうすればよいですか?
A3: DOMの計算精度は、Ordinateの数に依存します。Ordinateの数を増やすことで計算精度を向上させることができますが、計算コストも増加します。最適なOrdinateの数は、計算時間と計算精度のバランスを考慮して決定する必要があります。
その他の参考記事:HTML DOM の変更