JavaにおけるStringBufferとStringの違い
Javaにおいて、文字列を扱う際に String クラスと並んで使用されるのが StringBuffer クラスです。どちらも文字列を格納するためのクラスですが、それぞれに異なる特徴と用途があります。
StringBufferとは
StringBuffer は、可変の文字列を扱うためのクラスです。一度作成した StringBuffer オブジェクトに対して、文字の追加、挿入、変更などの操作が可能です。一方、String クラスは 不変 の文字列を扱います。一度作成した String オブジェクトの値を変更することはできません。文字列操作を行う場合は、新たな String オブジェクトが生成されます。
StringBufferのメリット
StringBuffer クラスを使用するメリットは、主にパフォーマンスにあります。 String クラスの場合、文字列操作を行うたびに新しいオブジェクトが生成されます。大量の文字列操作を行う場合、オブジェクト生成のオーバーヘッドが大きくなり、パフォーマンスが低下する可能性があります。
一方、StringBuffer クラスは、オブジェクトの内容を直接変更するため、オブジェクト生成のオーバーヘッドを削減できます。特に、ループ処理などで繰り返し文字列操作を行う場合は、StringBuffer を使用することでパフォーマンスの向上が見込めます。
StringBufferのメソッド
StringBuffer クラスには、文字列操作を行うための様々なメソッドが用意されています。主なメソッドを以下に示します。
| メソッド | 説明 |
|---|---|
append() |
文字列の末尾に文字列を追加する |
insert() |
指定した位置に文字列を挿入する |
delete() |
指定した範囲の文字列を削除する |
replace() |
指定した範囲の文字列を置換する |
reverse() |
文字列を反転する |
StringBufferの使用例
以下は、StringBuffer クラスを用いて文字列を操作する例です。
public class StringBufferExample {
public static void main(String[] args) {
// StringBufferオブジェクトの生成
StringBuffer sb = new StringBuffer("Hello");
// 文字列の追加
sb.append(", World!");
// 文字列の挿入
sb.insert(5, " Java");
// 結果の出力
System.out.println(sb.toString()); // "Hello Java, World!"
}
}
StringBufferとStringの使い分け
StringBuffer と String は、それぞれ以下のような場合に使い分けられます。
- String: 文字列の値が変化しない場合
- StringBuffer: 文字列の値が変化する場合、特にループ処理などで繰り返し文字列操作を行う場合
参考文献
StringBufferに関するQ&A
Q1: StringBufferとStringBuilderの違いは何ですか？
A1: StringBuilder は StringBuffer とほぼ同じ機能を持つクラスですが、スレッドセーフではありません。そのため、単一スレッドで使用する場合には StringBuilder の方が高速に動作します。
Q2: StringBufferの初期容量を変更できますか？
A2: はい、StringBuffer オブジェクトを生成する際に、コンストラクタの引数に初期容量を指定することで変更できます。
Q3: StringBufferはnullを格納できますか？
A3: はい、StringBuffer は null を格納することができます。
その他の参考記事
その他の参考記事:JavaScript String 文字列オブジェクト