JavaScriptのMathオブジェクトとは?

JavaScriptのMathオブジェクトとは?

JavaScriptのMathオブジェクトは、JavaScriptに組み込まれているオブジェクトの一つで、数値計算を行うための様々なプロパティとメソッドを提供します。プログラム内で数学的な処理を行う際に、Mathオブジェクトを使用することで、コードの安全性や可読性を高めることができます。

Mathオブジェクトのプロパティ

Mathオブジェクトは、円周率πや自然対数の底eなど、よく使われる数学的な定数をプロパティとして持っています。これらの定数は、Mathオブジェクトの名前空間を通してアクセスすることができます。

プロパティ 説明
Math.PI 円周率πの値 (約3.14159)
Math.E 自然対数の底eの値 (約2.71828)
Math.SQRT2 2の平方根の値 (約1.41421)
Math.LN2 2の自然対数の値 (約0.693147)

Mathオブジェクトのメソッド

Mathオブジェクトは、三角関数、指数関数、対数関数、乱数生成など、様々な数学的な計算を行うためのメソッドを提供します。これらのメソッドは、Mathオブジェクトのインスタンスメソッドとして呼び出すことができます。

三角関数

  • Math.sin(x): xの正弦値を返す
  • Math.cos(x): xの余弦値を返す
  • Math.tan(x): xの正接値を返す

指数関数と対数関数

  • Math.exp(x): eのx乗の値を返す
  • Math.log(x): xの自然対数の値を返す
  • Math.pow(x, y): xのy乗の値を返す

丸め関数

  • Math.round(x): xに最も近い整数を返す
  • Math.floor(x): x以下の最大の整数を返す
  • Math.ceil(x): x以上の最小の整数を返す

その他

  • Math.abs(x): xの絶対値を返す
  • Math.max(x1, x2, ...): 引数の中で最大の値を返す
  • Math.min(x1, x2, ...): 引数の中で最小の値を返す
  • Math.random(): 0以上1未満の乱数を返す

Mathオブジェクトの使用例

以下は、Mathオブジェクトを使用して円の面積を計算する例です。

<script>
  const radius = 5;
  const area = Math.PI * Math.pow(radius, 2);
  console.log(`半径${radius}の円の面積は${area}です。`);
</script>

参考資料

Q&A

Q1: Mathオブジェクトはどのようにして使用しますか?

A1: Mathオブジェクトのプロパティやメソッドを使用するには、"Math.プロパティ名" または "Math.メソッド名()" のように、Mathオブジェクトの後にドット(.)でつないでアクセスします。

Q2: Math.random()で特定の範囲の乱数を生成するにはどうすればよいですか?

A2: 以下の式を使用することで、最小値min、最大値maxの範囲の乱数を生成することができます。

Math.floor(Math.random() * (max - min + 1)) + min

Q3: Mathオブジェクトを拡張することはできますか?

A3: いいえ、Mathオブジェクトは組み込みオブジェクトであるため、拡張することはできません。ただし、独自の数学関数を作成することは可能です。

その他の参考記事:JavaScript の Math オブジェクト