JavaScriptでシングルクォートとバッククォートを表す文字列は？

JavaScriptにおけるシングルクォートとバッククォートによる文字列表現

この記事では、JavaScriptで文字列を定義する際に使用するシングルクォート、ダブルクォート、バッククォートの違い、それぞれの使用シーン、そしてよくある誤解について詳しく解説します。

1. 文字列を定義する3つの方法

JavaScriptでは、以下の3つの方法で文字列を定義できます。


let singleQuoteString = 'これはシングルクォートで囲まれた文字列です。';
let doubleQuoteString = "これはダブルクォートで囲まれた文字列です。";
let backtickString = `これはバッククォートで囲まれた文字列です。`;

シングルクォートとダブルクォートは、機能的には全く同じです。どちらの方法で定義された文字列も、全く同じように扱われます。

どちらを使用するかは、個人の好みやプロジェクトのコーディングスタイルガイドに依存します。重要なのは、コード全体で一貫性を保つことです。

バッククォートは、ES6から導入されたテンプレートリテラルを作成するために使用されます。テンプレートリテラルは、従来の文字列よりも柔軟で強力な機能を提供します。

テンプレートリテラルを使用すると、`${}`構文を使用して、文字列内に変数や式を直接埋め込むことができます。


let name = "太郎";
let greeting = `こんにちは、${name}さん！`;
console.log(greeting); // 出力: こんにちは、太郎さん！

テンプレートリテラルでは、改行を含む複数行の文字列を簡単に作成できます。シングルクォートやダブルクォートを使用する場合、改行を手動で挿入する必要がありました。


let multilineString = `これは
複数行の
文字列です。`;
console.log(multilineString);

テンプレートリテラルを使用すると、エスケープシーケンスを使用せずに、改行やタブなどの特殊文字を文字列に含めることができます。


let specialCharacters = `これは\tタブ文字を含んでいます。\nこれは改行です。`;
console.log(specialCharacters);

一般的には、テンプレートリテラル（バッククォート）を使用することが推奨されます。テンプレートリテラルは、可読性、保守性、機能性の面で優れています。

ただし、プロジェクトのコーディングスタイルガイドに準拠し、コード全体で一貫性を保つことが重要です。

はい、シングルクォートとダブルクォートはネストできます。ただし、外側の引用符とは異なる種類の引用符を使用する必要があります。


let nestedString = "これは 'シングルクォート' を含む文字列です。";

テンプレートリテラル内で特殊文字をエスケープするには、バックスラッシュ（\）を使用します。


let escapedString = `これは\`バッククォート\`です。`;

古いブラウザの中には、テンプレートリテラルをサポートしていないものがあります。古いブラウザをサポートする必要がある場合は、Babelなどのトランスパイラを使用して、ES6コードをES5コードに変換する必要があります。